日本の空 なぜエンジン2基の飛行機(双発機)だらけになったのか? 鍵は「ETOPS」

最近の飛行機は、エンジン2基の「双発機」が多数で、3基以上はわずか。その背景には経済性だけでなく、実はかつて双発機の太平洋横断は不可能だったこと、それが「ETOPS」というルールで変わったことがあります。

日本の旅客機ではいま、ほとんどない3発以上の飛行機

 かつて飛行機(旅客機)は、3基以上のエンジンを搭載したものが少なくありませんでした。しかし現在、日本の航空会社が運航する旅客機は、ほぼエンジン2基の「双発機」。2019年11月時点において、日本の旅客機でエンジンが3基以上の飛行機は、ANAが今年から導入した4発エンジンの超大型機エアバスA380「フライングホヌ(空飛ぶウミガメ)」のみです(合計3機導入予定)。

 エンジン数が減った理由としては、「燃費向上」「少ないエンジン数でも大きなパワーが得られるようになった」「多くのエンジンが必要な大型機の需要が少ない」「エンジンが少ないほうがコストが下がる」ことが挙げられますが、それ以外にも理由はあります。

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JALのボーイング767型機と、ANAのボーイング777型機。両方ともエンジン2基の「双発機」(2016年3月、恵 知仁撮影)。

 ひとつは騒音対策です。基本的に、エンジンが少ないと騒音も軽減されるため、たとえば伊丹空港では2006(平成18)年から3発以上のエンジンを持つ機体は、原則乗り入れ禁止となっています。

 そしてもうひとつの理由は、日本~アメリカ線といった太平洋を横断する長距離路線に、双発機でも投入できるようになったことです。

 実は双発機は原則、60分以上空港から離れた場所の飛行が認められていません。エンジンが故障し、残り1基のエンジンで最寄りの空港へ緊急着陸する場合の飛行距離を考えたものです。

 このため、かつては太平洋を横断するような路線に双発機は就航できず、1基が故障しても残った2基以上のエンジンで飛行を続けられるボーイング747型機(4発)やダグラスDC-10型機(3発)などが、そうした路線に就航していました。

 これが「ETOPS(イートップス)」という基準が設定されたことで、状況が変わります。

【写真】日本の航空会社で現在唯一の「4発旅客機」

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コメント

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2件のコメント

  1. 何故か?
    伊丹空港には双発機の乗り入れ禁止
    昔のジェットエンジンは
    パワーも信頼性もなかったから双発になり
    アメリカへは
    アラスカでの給油が必要
    また、当時は60分以内に緊急着陸出来る事だから
    大平洋は飛べなかった
    777,787の双発機はETOPS330分
    A350はなんと370分

  2. 日本の空というか、双発化は世界の流れですけどね。エアバスとボーイングに限って言えば3発機は新規開発されていないし、4発機はA380が生産を終了しB747-800も新規の発注はほとんどないと聞きますから。

    日本はむしろ遅かったくらいです。ANAはコストのかかるジャンボ機を退役させ、運行効率のいい777に切り替えましたが、JALは切替が遅れたことで赤字体質となり経営破たんにつながりました。