エアバス50年、民間機だけじゃない巨大企業への歩みとは ヘリでは日本と深い縁も

旅客機以外の部門は? 巨大企業への歩み

 単独では勝ち目が無いアメリカ企業に対して、複数の国と企業が協力することによって対抗できるというエアバスの成功例と、EU(ヨーロッパ連合)の誕生により、ヨーロッパでは1990年代に航空宇宙産業の統合が進みました。

 1992(平成4)年にはアエロスパシアルとMBBそれぞれのヘリコプター部門を統合した、ヘリコプターメーカーの「ユーロコプター」が誕生。また2000(平成12)年にはアエロスパシエルとフランスの重工業メーカーであるマトラの合併により設立されたアエロスパシエル・マトラと、MBBがアメリカとドイツの合弁企業であるダイムラー・クライスラー(現ダイムラー)に買収され設立されたダイムラー・クライスラー・アエロスペース(DASA)、そしてスペインの航空機メーカーCASAの、3社が合併して「EADS」(European Aeronautics Defence and Space Company)が誕生しています。

 前にも述べたようにアエロスパシエルとMBBはエアバス・インダストリーG.I.Eの中核企業であり、またユーロコプターも両社のヘリコプター部門の合併によって誕生しています。このため両社はEADSの誕生によって、EADSの完全子会社となりました。

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エアバスが開発した戦術輸送機A400M(竹内 修撮影)。

 この時点でEADSはボーイングに次ぐ、世界第2位の航空宇宙防衛企業となっていましたが、EADSは2014年7月31日に「エアバス・グループ」に改称、またユーロコプターも2014年1月、「エアバス・ヘリコプターズ」に改称しています。さらにエアバス・グループが2017年1月に子会社であるエアバス(株式会社化により2001〈平成13〉年にエアバス・インダストリーG.I.Eから改称)と合併し、存続会社名を「エアバス」としたことから、現在のエアバスは旅客機だけでなく、戦闘機や輸送機、ヘリコプター、人工衛星なども手がける、巨大航空宇宙防衛企業へと変貌を遂げています。

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