強化型「日本仕様ジャンボ」も飛んでいた 「日本と関わりが深い旅客機」3選
世界でフライト頻度が多い路線トップ10に4路線がランクインするという日本は、海外では長距離の国際線などに就航するような仕様機が国内線で使われるなど、旅客機の使い方も少し違います。そうした事情と関わりが深い飛行機を3つまとめました。
国内線で大型機が飛ぶ国、日本
日本の飛行機市場は少々“特殊”です。ボーイングの民間航空機部門マーケティング担当ランディ・ティンゼス副社長によると、世界でフライト頻度が多い路線トップ10に、日本の4路線(羽田~新千歳、福岡、那覇、伊丹線)がランクイン。このことからか、ほかの国では長距離国際線への投入が多いワイドボディ機(通路が2本ある)などの大型機が、国内線で使われることが多いようです。
たとえばJAL(日本航空)やANA(全日空)でかつて主力機だった「ジャンボ」ことボーイング747シリーズや、2019年JALが導入したエアバスA350-XWBなども国内線で用いられています。そうした事情の日本市場ですが、どのような飛行機と関わりが深いのでしょうか。
ここで日本の航空会社が「ローンチカスタマー」となった3機種をピックアップしてみました。「ローンチカスタマー」とは、航空機メーカーにとってリスクも高い新型機開発で、初めに大量発注などを行うことにより、その機種開発を後押しする航空会社のことです。
日本市場用「クラシックジャンボ」ボーイング747SR型機
ボーイング747SRは、1973(昭和48)年に初飛行。ローンチカスタマーはJALです。初期型「クラシックジャンボ」747-100型機をベースに造られた短距離運航に特化した日本仕様機で、末尾の「SR」は「Short Range(短距離型)」を意味しています。500人以上を乗せられる747SR型機はJALのほか、ANA(全日空)も同社初の「ジャンボ」として導入。世界でもこの2社のみが使っていた飛行機ですが、ともに主力機として活躍しました。
国内線の場合、飛行機は1日に何回もフライトすることから、ハードな離着陸や地上と上空の気圧差に、国際線より頻繁にさらされます。このため747SR型機は、ほかの747シリーズとくらべて、車輪まわりなどの降着装置や機体構造が強化されています。
コメント