米海軍型「オスプレイ」CMV-22B 初飛行に成功 その導入を米海軍が急ぐ切実な理由
日本に全タイプの「オスプレイ」が集結することに
C-2Aでは不可能であった、F-35C用のF135エンジン搭載能力も有しており、逆を言えば、CMV-22Bを導入しなければ空母へ予備のエンジンを空輸する手段がなく、F-35Cの運用に大きな制約が生じてしまう可能性があります。よって海軍としては、可能な限り早くCMV-22Bを配備したい状況であり、当初の計画では2027年までにC-2AをCMV-22Bへ置き換える予定でしたが、これを2024年へ3年前倒しする見込みです。
アメリカ海軍は現在、第30および第40艦隊後方支援飛行隊においてC-2Aを運用しており、空母「ロナルド・レーガン」の艦載機部隊としては岩国航空基地(山口県)に駐留する第5空母航空団に第30艦隊後方支援飛行隊第5分遣隊が所属しています。数年のうちにC-2Aは本国へ引き上げ退役、その後継としてCMV-22Bが来日し常駐することになるでしょう。これによって日本は世界で唯一、すべてのタイプのオスプレイ(MV-22B/CV-22B/V-22/CMV-22B)が配備された国となる見込みです。
なお2019年末現在オスプレイシリーズは米空軍50機、米海兵隊360機、陸自17機、米海軍44機、合計471機の生産を見込み、残受注数は100機弱です。今後は一度調達計画を延期したイスラエル空軍向けに、さらに12機から14機の発注があると見られます。
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Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)
1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。
平成初期だったか、この機体の背中にレーダを載せてE-2の後継にする好走のイラストを見たことがある。
こっちはE-2Dの生産で沙汰止みになったが。