それでも「オスプレイ」が欲しいワケ すでにある大型輸送ヘリと併用したい陸自の思惑

陸自に「オスプレイ」の暫定配備が始まります。大型輸送ヘリ「チヌーク」も保有していますが、もちろん前者にできて後者にできないことや、その逆もあります。どのような活用を想定しているのでしょうか。

難航する陸自「オスプレイ」配備

 陸上自衛隊向けV-22「オスプレイ」は2018年9月現在、その配備に難航していますが、陸上自衛隊は既に大型輸送ヘリコプターCH-47「チヌーク」を持っています。それでもオスプレイが欲しい理由はどこにあるのでしょうか。

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自衛隊の演習場にアプローチしてくる「オスプレイ」。垂直離着陸モードになっているため、プロペラが上を向いている(矢作真弓撮影)。

「オスプレイ」には米海兵隊向けのMV-22と、米空軍向けのCV-22、そして米海軍向けのCMV-22などの、複数の「オスプレイ」が存在します。基本的な性能はどれも同じですが、特殊作戦に従事するという任務の特性から、米空軍のCV-22には「地形追従装置」が取り付けられています。この装置は、夜間などの見通しが利かない場合でも、山肌を這うように飛行することができる装置のことです。陸上自衛隊は、オスプレイの搭載力とスピードに期待して導入を決定したため、米海兵隊向けのMV-22を採用するといいます。

「オスプレイ」の導入には様々な議論が行われておりますが、陸上自衛隊ではすでに、千葉県にある木更津駐屯地への暫定配備を決めており、いずれは佐賀県にある佐賀空港に17機の陸上自衛隊向け「オスプレイ」が配備されることになります。

 大きな注目を集めている「オスプレイ」ですが、陸上自衛隊には大型輸送ヘリコプターがあります。ではなぜ、「オスプレイ」の導入を決めたのでしょうか。

「オスプレイ」は、ほかの航空機とは違い3種類の飛行モードを使い分けることができます。ひとつ目は、固定翼並みの速度や距離を飛行することができる「固定翼モード」。ふたつ目が、離陸時の加速や、着陸前の減速で用いられる「転換モード」。3つ目が、ヘリコプターの様にホバリングや垂直離着陸することができる「垂直離着陸モード」です。こうした3つの飛行モードを使い分けられるのが、「オスプレイ」ならではの特徴です。

 陸上自衛隊は、この特徴を持つ「オスプレイ」が、島しょ防衛や災害派遣などの国防において有益な能力を持っているとの理由で、導入を決めました。

 固定翼機のように多くの人員や物資を搭載して、ヘリコプターよりも迅速に飛行して、ちょっとしたスペースがあれば垂直離着陸することができる「オスプレイ」の能力は、陸上自衛隊にとって、とても魅力的だったのです。

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コメント

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2件のコメント

  1. この記事おかしい。陸自がオスプレイを欲しがってないのは軍事関係者では有名。あ上が勝手ににきめたし買ってくれるの断ると後が怖い。それにオスプレイ導入が他の航空隊に皺寄せきてる。予算人員あらゆること。

  2. 固定翼機の地上攻撃で安全確保できるレベルの脅威なら、なんでそこまで価値のない離島奪還を急がにゃならん?水陸機動部隊と一緒に突っ込ませるならそもそもオスプレイの速度も航続距離もいらないよね?