旧日本海軍の技術「漁業のお供」に 終戦直後の日本 ソナーから「魚群探知機」誕生秘話

太平洋戦争後GHQにより軍需産業を禁止された日本は、民間に数多くの技術者が流れました。旧軍が持っていた物資も一部、民間に流れており、なかには戦後発展に貢献したものも。魚群探知機の元になった音響測深機もそのひとつです。

魚群探知機の原型は旧海軍の放出物

 この時、水中に超音波を発生させる装置として注目したのが、たまたま、旧日本海軍の放出物資のなかにあった「音響測深機」でした。船底に取り付けたセンサーから超音波を発し、返ってきた音波で海底の様子を確認する、「アクティブ・ソナー」と呼ばれるものの一種です。

「ソナー」は元々、潜水艦への備えとして発展し、現在でも潜水艦を発見するための方法のひとつです。なお、古野電気が当時入手したものは、おもに座礁防止のため、海底までの距離を測る際に使われていたものだったようです。

 ちなみになぜ、軍事物資が簡単に手に入ったかというと、おそらくポツダム宣言受諾から進駐軍が上陸するまでのあいだである1945(昭和20)年の8月下旬から、日本政府が秘密裏に、火器や爆発物など以外の軍需物資を民間に放出したことが理由なのではないでしょうか。

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初期の魚群探知機(画像:古野電気)。

 その軍用音響測探機ですが、海底の地層境界からの反射波を捉えるといった原理であったため、ほとんど水でできている魚からの微細なエコーを受信できるようにするには試行錯誤を重ねたようです。

 約1年かけ、軍用の音響測深機を改造して魚群探知機のプロトタイプを完成させると、1947(昭和22)年4月に長崎県の五島灘で最初のテストを行います。船の走航時に発生する泡が探知を邪魔するという課題はありましたが、それさえクリアすればしっかり魚群を探知できることがわかりました。

【写真】海底の戦艦「大和」をとらえた三次元ソナー画像

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