【空から撮った鉄道】あれから4年半が経過 ラストラン2日前の札幌発上野行きブルートレイン

2015年8月23日、上野と札幌を結ぶ「北斗星」が廃止となり、20系より長きに渡って列島の街を結んだ寝台特急「ブルートレイン」が終焉しました。日本の鉄道の転換点を捉えるべく、20日は札幌発の上り「北斗星」を空撮しました。

寝台特急「北斗星」に乗ってから「北斗星」を空撮

 2015(平成27)年夏の寝台特急「北斗星」の終焉は、同時に寝台特急としての「ブルートレイン」が終焉することでもありました。あれからもう4年半も経ってしまったのですね。ついこの前のような気がするのですが。その4年半前の8月19日から20日にかけては、「北斗星」の車中で友人とばったり会ったり、二日酔いになったり。そのあとに空撮を行いました。

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丘珠空港から札幌駅北西側の上空に到着。すでに寝台特急「北斗星」は入線していて、24系25形客車の姿が見える(2015年8月20日、吉永陽一撮影)。

 北海道での「北斗星」空撮は、2014(平成26)年秋と翌2015年の5月に行って以来でした。そのどれも夜間ではなく、札幌着の下りを午前中に捉えるものでした。8月20日は「北斗星」ラストランの2日前です。中途半端な日ですが、19日上野発の下り「北斗星」に乗って渡道したのでした。そのとき、最後の「ブルートレイン」乗車だからと、つい飲み過ぎてしまって二日酔いになりました(笑)。そして、乗車した「北斗星」の車両が手稲の札幌運転所で身支度を終え、札幌を発つシーンを空撮する段取りでした。

「北斗星」で会った友人と札幌観光をしつつ、すっかり酒が抜けた夕方、丘珠空港からセスナ機離陸します。空港から駅までは僅か数分なので、離陸してだいたい高度2000ft(約660m)くらいになったら窓を開け、眼下を覗くと目の前は札幌駅でした。

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東側に移動するとホームの先端にDD51重連が停車しているのが見えた(2015年8月20日、吉永陽一撮影)。

 高架の札幌駅は、ホームのほとんどが屋根で覆われています。カバーがかけられたような構造のため、停車中の「北斗星」を狙うのはちょっと難儀です。ですが、先端のDD51の重連は屋根から出ているため捉えることができました。望遠レンズで覗くと、ホーム先端はぎっしりと人で埋め尽くされています。さすがにラストラン2日前とあって、鈴なりの人だかりに見守られながら、DD51の重連がゆっくりと動き出しました。きっとこれが最終日だとしたら報道ヘリが数機飛行していて、上空も混雑していたかもしれません。20日の空は私の乗機だけでした。

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DD51の先頭側に回り込むと、ホームは多くの人で埋め尽くされているのがわかる。白い制服姿は駅長だろうか(2015年8月20日、吉永陽一撮影)。

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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