高速バスに影落とす新型コロナ バス会社「生死の瀬戸際」 ディズニーなど休園響く

運休拡大のなか「運行再開」決めた事業者の思い

 運休の動きが拡大するなか、3月に入って休止していた便の運行を、今週から再開する事業者もあります。

 大阪のユタカ交通は、東京~関西線や関西~長崎線の夜行バスを運休していましたが、3月12日(木)から関西~長崎線の運行を再開します。これについて同社は次のように話します。

「ここ数日キャンセルが相次いだほか、事業者どうしで少ない需要を奪い合うことにもなるため、夜行便は運休としていました。ただ、東京線はいくらでも振替が効きますが、運行事業者の少ない長崎線については、お客様から『運休されると困る』という声が寄せられていることから、再開します」(ユタカ交通)

 なお同社も、乗務員のマスク着用や、車内の清掃・消毒など、できる限りの感染予防対策を行っているといいますが、マスクや消毒液の在庫が少なくなってきているそうです。「いま、我々は生きるか死ぬかの瀬戸際にいるといっても過言ではありません。今回の運行再開が吉と出るか凶と出るかもわかりませんが、それでも『がんばろうやないかい』という思いです」と話します。

 岩手県北バス南部支社も、高速バスの新型コロナウイルス対策について紹介した報道用資料で、国全体で出控えが広まっていることもあり利用者が減少してはいるものの、「帰省や出張などの目的で、北東北と東京のあいだを移動するニーズをお持ちの方が多数おられます」としています。

 今回取材した複数のバス事業者は、東京ディズニーランド/東京ディズニーシーやUSJの今後の動向次第で、高速バスにおいても局面が大きく動くと予想しています。ある事業者は、「これらの営業が再開されるときが、『出かけられる』とみんなが思えるときでしょう」と話していました。

【了】

【資料】2020年2月 旅行のキャンセル状況

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コメント

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1件のコメント

  1. 北海道では廃業や従業員さんの解雇など死活問題まで到ってしまった。
    見えない的であるウィルスが故に政府の初動の遅れは人災レベルかもしれない。
    オリンピックも中止の方向で検討するべきかもしれないね。
    専門家にしても自動車メーカーお抱えの評論家のような骨抜きな隔たりだらけの専門家ではなく、濾さずに意見を述べられる環境を整えて人材も無縁な畑から選別するほうが良いかもしれないね。