新滑走路スタートで大きく変わる那覇空港 工事の様子は? 沖縄の海を守る工夫も
2本目の新滑走路が供用開始された那覇空港ですが、これまでの、建設中の様子や供用開始直前の姿などを振り返ります。工事の進行には、沖縄の海を守るための工夫もされていたそうです。
処理能力は年間10万回以上向上
那覇空港の、2本目にあたる新滑走路が2020年3月26日(木)より供用開始されました。工事が進む様子を2019年8月と、2020年3月の2回、見ることができました。
これまで長さ3000mの滑走路1本で運用されてきた那覇空港は、国内の「滑走路1本で運用している空港」としては、福岡空港に次ぐ発着回数を数えていました。年を追うごとに増える発着回数や、航空自衛隊機のスクランブルもあることなどを鑑み、その滑走路と並行して長さ2700mの第2滑走路が海を埋め立てて作られることが計画され、2014年1月に着工されます。
滑走路が2本になることで、1年間の発着回数が13.6万回から24万回へ大幅に増えるとされ、インバウンド需要や、貨物便の増便などに対する同空港の処理能力向上が期待されます。
そしてこれにあわせ、ふたつの滑走路のあいだに新管制塔も新設され、2020年1月から供用開始されています。滑走路が増えることで、従来のものでは見渡せない場所が出てきてしまうため、これに対応するため新たに建設されたといいます。
国土交通省によると、新管制塔の高さは地上88mで、日本では羽田空港に次ぐ高さとのことです。従来のものは36mのため、倍以上の高さを持つビッグタワーとなります。
滑走路の新設工事は、予定地の周りを取り囲むように海中に護岸を作ったのち、その内側に土砂を投入し、埋め立てて作られています。作業時には、沖縄の海を保全するための工夫がされたそうで、埋め立て前にサンゴを移植したのち、汚濁防止膜を張って水質汚染防止を試みつつ工事が行われたほか、通水路を埋立地のなかに設置し、海水の滞留を防いでいるとのことです。
ちなみに、新滑走路が設置された海の水深はごく浅く、場所による差はあるものの、水深5m以下の区域が大半を占めているそうです。
【了】
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