「首都高を走る路線バス」埼玉に シートベルトなし なぜ「高速道路」走れる?

シートベルトなし 通常の車両で運行できるワケ

 路線バスタイプの車両で首都高を経由するものとしては、関東バスが原則として土休日のみ運行(2020年4月現在、新型コロナウイルスの影響で運休中)する吉祥寺~お台場間の「湾01」系統や、東急バスが横浜・川崎市内から渋谷駅まで直通で平日朝のみ運行している「TOKYU E-LINER」が挙げられますが、いずれも着席を前提としたシートベルト付きの車両で運行しており、満席の場合は乗車できません。

 対して東武バスの新高01系統に使われるのは、シートベルトもない一般的な路線バス車両で、立ったままでの乗車も可能です。そもそも、乗客が立って乗ることも多い路線バスは、高速道路を走らない前提で、客席へのシートベルトの装着が法令で免除されていますが、なぜ通常の車両で首都高を走れるのでしょうか。

 その理由として東武バスウエストと首都高速道路は、新高01系統が走る区間の制限速度が60km/h以下であり、法令が規定する「高速道路等」に該当しないため、一般道を走行する車両と同様の基準が適用されると説明しています。首都高の区間は信号がなく加減速が少ないため、一般道に比べ快適性も上々とのことです。

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首都高埼玉新都心線、さいたま見沼付近からさいたま新都心駅方面を望む(画像:pixta)。

 新高01系統の誕生は2010(平成22)年のことで、首都高の末端部にあたり交通量が少ない埼玉新都心線の活用方法を模索していた首都高側が、東武バスウエストに働きかけたものだったそうです。東武側も、周辺道路が混雑するため、何らかの所要時間を短縮する方法がないかと考えていたことから、路線開設に至ったといいます。

 ちなみに、首都高のような都市高速道路を走る路線バスは、名古屋や広島、福岡にもありますが、新高01系統は、田畑が広がる緑地空間「見沼たんぼ」を貫く首都高の向こうに駅周辺の高層ビル群を望むという、田園と都会の風景が合わさったような独特の車窓が広がります。

【了】

【地図】首都高経由の路線バス「新高01」のルート

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コメント

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4件のコメント

  1. 前は京都にも都市高速道路(阪神高速京都線)を走る一般路線バス(京阪バス京都醍醐寺ライン)があったけど、当該区間の管理が阪神高速から京都市に移管されて無料開放されたので無くなったのよね。

  2. 横浜新道を走る相鉄バスなど緩和規準の申請バスは60キロ制限を条件として立ち席乗車が指定経路にて認められているが、これらは機械的な速度抑制ではなく悪までも運転上での規約を車検証の備考内容として記されている約束事なので仮に速度が60をオーバーした場合に備えて運転転席と客室共に速度が60に達した事を表示する案内が義務化されているが、この規制を期に第3京浜を走る横浜市営バスが路線撤退したりで意外に不便になってしまった。

  3. 先月位に湾岸線西行きの大井出口手前で、京急の燃料電池バスを見かけたのだが…
    最初は都営バスの回送かな? で、よく見たら京急バスだった…w

  4. さすg