ボーイング747は音速を超えたのか 対地速度1327km/h NY~ロンドン最短記録のカラクリ

BA112便になにが起きていたのか? 「ジャンボ」が音速超えのカラクリ

 結論から言えば、BA112便は音速を超えておらず安全上の問題も全くありません。これは、たとえていうならば300km/hで走行中の新幹線車内において、進行方向にむかって時速4km/hで歩く人は、車外から見た場合304km/hに達しているように見えるのと同じ理屈であるためです。

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300km/hで走行する新幹線の乗客が進行方向へ4km/hで歩いた場合、外から見れば304km/hで動いているように見える。写真はイメージ(画像:写真AC)。

 私たち人間は地球の表面上で生活しているため、「速度」を認識する場合どうしても地面を基準にしがちです。しかしながら本来、速度には絶対的な基準はなく、すべては相対的なものでしかありません。飛行機は地球の表面を離れ空気の塊の中を飛行するため、飛行機における速度とは、周囲の空気を基準とする速度「対気速度」が用いられます。

 BA112便は空気を基準とした対気速度において、ボーイング747の設計上の巡航速度であるマッハ0.85、918km/hで飛行していたはずです。新幹線車内を歩く人にとって、新幹線の対地速度が200km/hであろうと300km/hであろうと新幹線は常に静止しているように見えるように、BA112便から見れば、風速がどんなに速くとも、止まっている空気の塊の中をいつも通りに飛行したにすぎないのです。

【フライトログ】対地速度1327km/h超! 2020年2月8日のBA112便

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1件のコメント

  1. 太平洋戦争でも、偏西風で米軍の爆撃機は大変困ったそうな。