走り続ける公共交通 守るために何が必要か 関係者1000人 国へ緊急提言

鉄道もバスも、走らせ続けなければならない理由があります。

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新型コロナの影響下でも、公共交通は運行を続けている。写真はイメージ(画像:写真AC)。

 鉄道やバス、タクシー、福祉輸送など全国の交通事業者や研究者で構成される「くらしの足をみんなで考える全国フォーラム実行委員会」は2020年4月24日(金)、「くらしの足をなくさない! 緊急フォーラム ―新型コロナウイルスによる交通崩壊を止めろ―」をオンラインで開催、国土交通省幹部をはじめ公共交通などの関係者1002人が参加しました。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、地域交通の利用者が大幅に減少する一方、交通事業者には安定したサービスの提供も求められているといいます。フォーラムでは、各ジャンルの関係者から次のようなことが報告されました。

●鉄道
・4月1日から10日までの運賃収入が、前年比の7割減という地方鉄道も。通学定期券が売れずキャッシュ不足で、資金繰りに苦労している。
・一般的に鉄道は固定費が大きく、運休などによる短期的なコスト減が困難。現行法制上も、運行を継続せざるを得ない。

●バス
・収入の柱となる高速バスは利用が大きく減少し、大幅減便。路線バスも減便の意味はあるが、制度上は自由にできない。また公的補助を受けている路線はさらに調整困難で、旅客減少により来年度の補助への影響が懸念される。

●タクシー
・4月1日から15日までの売上は東京、愛知、大阪で前年同月比の半分以下。京都では3割以下。地方も運賃収入が激減。
・4月21日から期間限定で、タクシーによる「有償貨物運送」が特例的に認められ、飲食物の配送業務などが可能に。従来の制度と比べると、利用者にとってもタクシー事業者にとっても使いやすい。人の動きが減少するなか、モノの動きに着目する必要がある。

●福祉輸送
・高齢者の通院や障がい者の通所などを担う「福祉有償運送」の利用は約3割減。このまま高齢者の外出が減ると、体力低下が懸念される。
・国の資格取得のための講習もストップしているので、今後の担い手不足も心配。

【画像】「緊急提言」の内容

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