「玖珠」ってどう読むの? 「倶知安」「目達原」ほか難読名称の陸上自衛隊駐屯地5選

名所旧跡が残る駐屯地

 全国でも珍しい、敷地のなかに城跡が残る駐屯地も、難読名称のひとつといえるでしょう。

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新発田駐屯地の正門。正面奥の警衛所の屋根にシャチホコがある(柘植優介撮影)。

新発田駐屯地(新潟県新発田市)

 新発田は「しばた」と読みます。漢字は難しくないのですが、新潟県の難読地名として時折取り上げられます。

 新発田の名称の由来は諸説ありますが、室町時代の1450年ごろの記録にはすでに「新発田」という地名が出てきます。そしてこの地を治めた豪族として新発田氏が登場し、新発田城の築城などで地名として定着しました。

 新発田城は明治維新後、旧日本陸軍の宿営地(衛戍地)に流用され、太平洋戦争後に陸上自衛隊が発足すると自衛隊の駐屯地に転用されます。そのため、駐屯地の一角に石垣および櫓があるという全国でも珍しい駐屯地で、毎年行われる駐屯地記念行事では城郭をバックに部隊が整列します。

 所在部隊は第30普通科連隊などで、前述したように城の残る駐屯地のため、駐屯地正門やその傍らにある警衛所(警備詰所)などは、白壁にシャチホコを載せた瓦屋根造りの凝った外観です。

 自衛隊の基地名および駐屯地名は、駅名と同じように所在地の歴史を記す指標になっていることがあります。難読名称であることは、むしろ古い歴史を持っていることも多いのです。

【了】

【写真】まるで某映画のワンシーン 城郭をバックに整列する自衛隊員

Writer: 柘植優介(乗りものライター)

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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