どう見ても米海軍機なのに空軍所属で運用はCIA 絵に描いたようなスパイ機RB-69Aの正体

冷戦時代、アメリカの情報機関CIAは、旧ソ連などの情報を収集しようと様々な航空機を独自に運用していました。比較的知られているのは、全身真っ黒の偵察機などですが、一方で自国軍機に擬態した機体もありました。

ベースは海上自衛隊も使用したベストセラー機

 RB-69Aを開発するにあたりベース機となったのは、アメリカ海軍の大型哨戒機P2V-7「ネプチューン」でした。

 同機は、双発エンジンの大型機のため、機内容積に余裕があり、なおかつ各種の潜水艦探知装置を稼働させるために高い発電能力も有していたことから、各種の情報収集機器に電源を供給するのにマッチしていました。また哨戒機の特徴として、長時間の洋上飛行を行うために滞空時間も長いという点が挙げられますが、これもRB-69Aの用途にかなうものです。

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RB-69A電子偵察機の原型となったアメリカ海軍のP2V-7対潜哨戒機(画像:アメリカ海軍)。

 CIAはアメリカ海軍から、中古のP2V-7対潜哨戒機を7機、譲り受けます。引き渡しにあたって、アメリカ海軍はわざわざ専用の「P2V-7U」という型式まで設けました。末尾の「U」はユーティリティ、すなわち多用途という意味です。

 CIA専用型式のついたP2V-7Uは、他国を欺くために所属はアメリカ空軍とされました。そのため、アメリカ空軍機として改めて「RB-69A」という型式が与えられます。ちなみに「RB」とは爆撃機ベースの偵察機を示す型式です。こうして世にも珍しい、一見するとアメリカ海軍機風のアメリカ空軍機、運用はCIAという機体ができあがりました。

 当初CIAは、RB-69Aの装備として電波情報収集用の電子機器を考えていましたが、運用するにあたり欲が出たのか、偵察カメラや目標照射用のサーチライト、さらに隠密行動することをにらんで最新鋭の地形回避レーダーまで盛り込みました。

 加えて爆弾倉から宣伝ビラを撒けるようにしたほか、一説によると情報部員を空から隠密降下させられるようにもしていたそうです。

【写真】日の丸を掲げたRB-69Aの原型機

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