どう見ても米海軍機なのに空軍所属で運用はCIA 絵に描いたようなスパイ機RB-69Aの正体

冷戦時代、アメリカの情報機関CIAは、旧ソ連などの情報を収集しようと様々な航空機を独自に運用していました。比較的知られているのは、全身真っ黒の偵察機などですが、一方で自国軍機に擬態した機体もありました。

国籍マークと所属をはっきり描いたスパイ機

 アメリカのCIA(中央情報局)は、世界屈指の情報機関として知られています。CIAは、アメリカ大統領直属の組織として予算や権限が与えられており、過去にはアメリカ空軍機に擬態した航空機まで飛ばして情報収集を行っていました。そのひとつがRB-69A電子偵察機です。

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RB-69A電子偵察機。CIAの機体ながら、名目上アメリカ空軍所属のため、資料用に撮られた数少ない公開用写真の1枚(画像:アメリカ空軍)。

 1947(昭和22)年に設立されたCIAは、人間によるスパイ活動以外にも、暗号通信の傍受や解読、電波の発進位置特定など様々な活動を独自に行っており、そのなかには航空機を用いた写真偵察や電波情報の収集なども含まれていました。

 そうした任務はもちろん、相手国を刺激する危険なものです。そのため諜報活動中に万が一、相手国に捕捉されても、一見するとCIAの所属だとわからないようにする必要がありました。

 そこでとられた方法が、機体を黒一色にして国籍マークなどを目立たなくする、もしくは一切書かないというものや、アメリカ海軍機や空軍機に擬態するというものなどです。RB-69A電子偵察機は後者の、自軍機への擬態をし、相手国の領空スレスレを飛行していました。

【写真】日の丸を掲げたRB-69Aの原型機

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