米空母の「ツノ」なぜ見なくなった? 飛行甲板の舳先に2本…決して体当たり用にあらず

20世紀初頭までの軍艦には衝角という、体当たり攻撃のための武装が船首喫水線下に見られました。1980年代前半ごろまでに建造されたアメリカ海軍空母にも、飛行甲板の舳先にツノが見られましたが、決して体当たり用のものではありません。

空母の「ホーン」は過渡期の証

 ブライドル・ワイヤーでカタパルトと艦載機を繋ぐのは手間がかかり、なおかつ危険も伴いました。また連続射出するような状況では、飛行甲板のいたるところに複数のブライドル・ワイヤーが置かれ、甲板要員の往来や物資の移動に障害物となっていました。

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1968年、空母「ハンコック」からカタパルト射出されるA-4E「スカイホーク」攻撃機。ブライドル・ワイヤーが機体から外れた瞬間(画像:アメリカ海軍)。

 そこで艦載機の脚に、カタパルトのシャトルと直につなぐための射出バーを標準で装備する、現在の方式が考案されます。

 こうして1970年代半ば以降、ブライドル・ワイヤーを使わない艦載機が登場すると、その必要性も年を経るごとに低下していきました。

 アメリカ海軍では、1970年代後半に就役したニミッツ級原子力空母の初期建造艦までは、ブライドル・レトリーバーが標準装備されていましたが、1980年代後半に就役した同級の中期建造艦からなくなっています。

 またこれが装備されていたニミッツ級の初期建造艦からも、改装の際に順次、撤去され、2020年6月現在では、アメリカ海軍の現役空母でブライドル・レトリーバーを備えている艦はありません。

 こうして見てみると、空母のホーンは1950年代半ばから1990(平成2)年ごろまでの期間限定装備だったといえるでしょう。なお、過渡期にはホーンが片側1本のみという空母もありました。

【了】

※一部修正しました(6月7日9時25分)。

【写真】射出準備OK カタパルトにセットされたF-4B「ファントムII」戦闘機

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子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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