新型コロナ下で波に乗るEV原付 バイクなの? 自転車なの? 普及には法の壁も

現行法は曖昧だし不便 法律を変えるには?

 グラフィットは、対面販売でもインターネット経由でも、購入者がナンバー登録したことを確認して初めて、商品を引き渡しているといいます。これまで追えていなかった、中古品を転売した場合のナンバー登録についても、車両情報をスマートフォンと連携させることで、「ハードとソフト両面から違法走行を防ぐ」とのこと。

 しかしながら、自転車なのかバイクなのか、曖昧な存在であるゆえに批判も多く、「『法律を変えるのが先だ』という議論も多い」(鳴海社長)といいます。このため、経済産業省の「新技術等実証制度」(いわゆる「規制のサンドボックス制度」)を活用し、その位置付けについて、国とも対話を重ねているそうです。

「製品を現行法の解釈にあてはめればこうなる、という国の方針もわかりますが、消費者目線では、たとえば『電源オフならば自転車と同じ扱いにしてほしい』といった要望もあります。クルマがメインの人にとっては、クルマ以外は邪魔な存在でしょうが、かといって自転車レーンを走ることも、現状ではできません。ユーザーを集めて声を届け、自分たちで基準をつくり、ベストな解を出していきます」(グラフィット 鳴海社長)

Large 200528 glafit 02

拡大画像

左が「GRF-01」、右が新作の電動キックボード「X-SCOOTER LOM」(2020年5月、中島洋平撮影)

 また、電動の場合は、ガソリンエンジンの排気量とは別の尺度も必要だといいます。いまの電動原付は、50ccのエンジンをもとに出力の基準が設定されており、それでは坂道や荷物を運んだ場合にパワー不足とのこと。電動の場合は、出力が高くとも、平地でのスピードを適切にコントロールできるそうです。

 ちなみに、50ccの原付は日本独自の規格であり、排気ガス規制も厳しくなるなか、大手バイクメーカーはそのラインアップを徐々に減らし、二輪免許が必要な原付2種(50cc以上125cc以下)を増やしています。

「このまま新車が自然消滅する可能性もある原付は、国にとっては、いまから法改正してもしょうがない分野かもしれません。法律を変えるには『なぜそれを議論するのか』という理由が必要です」(グラフィット 鳴海社長)

 そのためにもユーザーを増やす必要があると、鳴海社長は話します。

【了】

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

3件のコメント

  1. 思考が外国で解禁されている国があるからと大麻を売る反社と同じ 
    なんで法改正の運動を先にやらない 
    なんで違法な物を売ってるくせに表に出てくる 

    • 電動自転車は、原付と同様に、灯火類を装備して免許とナンバー取得してヘルメット被って車道を30km/h以下で走行する分には、合法な乗り物です。
      「グラフィットは、対面販売でもインターネット経由でも、購入者がナンバー登録したことを確認して初めて、商品を引き渡している」とのことなので、少なくとも記事の販売元は違法な物は売っていません。
      法改正というのは、自転車同様の扱い(自歩道走行許可とか)を求めてのことで、現行法でも合法に乗ることはできます。

      なんでこの程度の長さの記事も理解できないくせにコメントしてくる

  2. 原付一種の、比較的古い電動スクーターに乗ってるんだけど、最高出力が法律上低く抑えられてるため、起動加速が鈍重で右折などがやりにくい。ちょっとした上り坂でも坂道発進がものすごくスロースタートになる。
    一方で高速域でも出力があまり落ちないので、そのまま加速していると60km/h近くにまで達する。そういう特性があります。
    とはいえ、自転車に近い乗りやすさ、給油もオイル交換も要らない扱いやすさ、圧倒的な静寂性と乗り心地などメリットも多く、昨今の環境規制と相俟って、いつか原付一種はほとんど電動化してしまうのではないかなと。