ブルーインパルスも機数が減った! そろそろ考えようか空自T-4練習機の「後継」
そろそろ次を考える? 世界各国の練習機事情
旧式化したジェット練習機では、F-35のような新型戦闘機の操縦訓練は難しいと考えている空軍は多く、グラスコックピットを備えたLIFT(戦闘機前段階練習機)と呼ばれる新型練習機を導入する国も増えています。また、現代の軍用機は戦闘機に限らずグラスコックピット化されていることから、T-6A「テキサンII」やスイスのピラタスが開発した「PC-21」のような、グラスコックピットを備えた基本操縦訓練に使用する、ターボプロップ練習機を導入する国も増えています。
航空自衛隊の練習機は、草創期にアメリカから供与されたT-33などを除くと、国内産業育成の観点もあって国内で開発、製造されてきました。しかし厳しい状況の続く財政状況、次期戦闘機の開発に国内メーカーの多くのリソースが割かれることなどを考えると、航空自衛隊が戦闘機パイロットの訓練環境について早期改善を望むのであれば、アメリカ空軍がT-38「タロン」高等練習機の後継機として導入するT-7A「レッドホーク」や、イタリアのレオナルドが開発し、イタリア空軍、ポーランド空軍、イスラエル空軍などに採用されたM346のような既存のLIFTを輸入、またはライセンス生産することが、最も合理的な選択だと考えられます。
防衛省は、2019年度から2024年度までの5か年度のあいだに防衛力をどう整備していくかを定めた「中期防衛力整備計画」の期間中に、航空自衛隊のすべてのパイロットが訓練で最初に搭乗するT-7初等練習機の後継機の検討を行なう方針ですが、T-4のエンジンの不具合問題が長引くようであれば、T-4の後継機も含めた、将来の航空自衛隊の戦力に最適化した訓練体系の構築に乗り出すべきなのではないかと、筆者は思います。
【了】
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。
T4練習機は、グラスコックピット化して再生産するべきと思います。
防衛装備全体の維持費用の増加が激しすぎます。
新しいもの欲しさに同調するのではなく
調達コストの低減だけでなく、修理部品、保有支援機材の有効活用、整備の教育ロスを考えると
練習機等2線級の装備は、使い慣れたものを改良し続けることが重要だと考えます。
その中で、シュミレーション機能、他機種への転換用ソフト等、必要に応じてソフトのアップデート余地を充分とり、徐々にアッデートすべきだと思います。
更に将来は、一部はエンジンを強化&データリンクを積んで軽攻撃機化し、スクランブルの負担を受け持っても良いのではと考えます。