星条旗を掲げたレアな護衛艦 先代「あきづき」とは? 日本で造って自衛隊が使ったのに…

海上自衛隊艦艇の引き渡し式典において外国旗を掲げることは、2020年現在ではあり得ません。しかし海自の黎明期には、国内の造船所で作られた日本名の護衛艦なのに、アメリカ軍人が乗り込み、アメリカ国旗を掲揚した船がありました。

造船所の竣工式典でアメリカ軍駆逐艦から海上自衛隊護衛艦に変身

 トラックなどはかなり厳格に米軍規格に合うことを求められ、部品などは互換性が要求されました。一部の車種についてはアメリカ本土に運ばれテストまで受けたほどです。

 それに対し護衛艦の方は、計画から設計、建造まで日本独自に行ってよい、となりました。当初はアメリカ政府内にも、艦の設計についてはアメリカ海軍が関わった方がよいという意見もあったものの、最終的にすべて日本に一任するという異例の決定がなされたのです。

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護衛艦「あきづき」の艦尾(画像:海上自衛隊)。

 予算内であれば自由に設計できるということで、日本側は知恵を絞ります。その結果、「はるかぜ」型や「あやなみ」型といった従来の国産護衛艦よりも排水量で約3割大きくなった船体に、旗艦として運用可能な司令部設備を完備し、護衛艦として数々の新型装備も備えた、ある意味てんこ盛りの護衛艦となりました。

 こうして1960(昭和35)年2月13日に引き渡されたのが「あきづき」です。同艦は前述したようにアメリカの国防予算で建造され、それを日本に供与するという形だったため、式典では国産護衛艦ながらアメリカ海軍の軍人も乗り込み、いったん星条旗を掲げたのち降ろし、新たに自衛隊員の手で自衛艦旗が掲げられるというステップが踏まれました。

 ちなみに、このような経緯の艦であるため、書類の上ではアメリカ海軍駆逐艦の艦番号であるDD-960も付与されていました。

 なお、同じようにOSPで建造された2番艦「てるづき」も約2週間後の2月29日に完成し、同様の流れを踏んで護衛艦に編入されています。

【写真】太平洋戦争で奮闘 旧日本海軍の駆逐艦「秋月」

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