いろいろスゴイJAL「重整備」独占取材! 所要時間や「見られては困る」その裏側とは…

JAL整備士に聞く「重整備」 テスト内容も超厳重

 そして重整備では、普段はできないようなテストが行われるとも。取材陣に案内を行ったJALエンジニアリングの整備士は「実際に見られては困るような」内容といいますが、どのようなものなのでしょうか。

 重整備では、おもに「安全性に直結しながらも、普段のフライトではチェックできないような」内容の検査を行うといいます。

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重整備中のボーイング777-300型機の機内(2020年6月、乗りものニュース編集部撮影)。

 たとえば重整備では、急減圧の際、機内が、いってしまえば「非常事態モード」に入るかがテストされます。

 ジェット旅客機が飛ぶ高度1万mは、気圧は地上の5分の1とも。その中を飛ぶ旅客機の客室は普段、地上に近い高い気圧を人為的に作っています。もし上空で機体に大きな穴が開くなどのトラブルが生じた場合、まるで風船がしぼむように、客室内の空気は外に逃げ、圧力が下がる「急減圧」が起こります。

 このとき、きちんとマスクが落ちるか、自動音声が流れるか、灯りがつくかなどをチェックします。

 また、修理したゾーンが上空との気圧差に耐えられるかも地上でテストされます。この担当者は熟練の技術を持ち、気圧の変化に耐えられる健康な人しかできないとも。普段は出すことができない救難信号の発出試験も、当局に特別許可を受けた上で数分間だけ実際に行われるそうです。

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