「御堂筋線直通」ホントに実現 「来る」といわれて50年 北大阪急行の延伸なぜいま?

大阪メトロ御堂筋線に直通して大阪の北摂地方を結ぶ北大阪急行電鉄の路線を、千里中央駅から箕面市内へ延伸する工事が進められています。50年も前から存在したこの計画、なぜいま実現したのでしょうか。

ようやく来るぞ「御堂筋線の電車」北摂箕面へ

 1970(昭和45)年、大阪じゅうが万国博覧会(大阪万博)開催前の熱気に沸くなか、大阪市営地下鉄(現・大阪メトロ)御堂筋線の終点だった新大阪駅から、江坂駅(大阪府吹田市)を経て、万博会場までを結ぶ鉄道路線が開通しました。御堂筋線と直通運転するものの、江坂以北は大阪市域から大きく外れるため、大阪市営地下鉄としてではなく阪急電鉄の系列会社 北大阪急行電鉄により運営され、万博終了後は路線を短縮し、現在の千里中央駅(豊中市)が終点になりました。

 それから50年経った2020年現在、北大阪急行の線路を千里中央駅から北へ2駅、2.5km先の箕面(みのお)市内まで延伸させる工事が、2023年度の完成を目指して進められています。新設される終点「箕面萱野駅」から御堂筋線への直通運行が予定され、ここから梅田までが24分で結ばれる予定です。また、延伸区間の途中には箕面船場阪大前駅も設けられます。

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延伸区間にできる箕面船場阪大前駅の予定地。新御堂筋の下に駅ができる(2020年6月、宮武和多哉撮影)。

 実は、この延伸計画は大阪万博終了の直後から存在しました。御堂筋線の梅田以北と北大阪急行は、大半が高規格道路「新御堂筋」の中央を通っていますが、新御堂筋には千里中央から北の区間にもそのスペースが確保されています。しかし、具体化しないまま数十年が経過していました。

「ここに地下鉄が延びてくるから」と沿線地域に家を購入した人々は、今回の延伸について「生きているうちに実現するとは思わなかった」といった反応を示す人もいるようです。実際、2008(平成20)年に箕面市から国土交通省に延伸の計画について打診した際も、「まだ(延伸計画は)生きていたのか」という扱いを受けるほどだったといいます。

 とはいえ、新しく駅が設置されるエリアはすでに戸建て住宅が多く建ち、開発の余地はそこまで大きくないようにも見えます。箕面船場阪大前駅へキャンパスを移転する大阪大学や、箕面萱野駅前にある商業施設「みのおキューズモール」などによる手堅い利用が見込まれていますが、この時期での路線延伸は、どのような役割が期待されてのことなのでしょうか。

【地図】北大阪急行 延伸区間の位置

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コメント

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2件のコメント

  1. いつも拝読させていただいています。
    今回も興味深く読ませて頂きましたが、「なぜいま」なのか、触れていなかったのが残念でした。
    書かれていた課題は確かにそうですが、前から存在していた問題です。
    10年前でなく、10年後でもなく、なぜ今だったのか…
    政治力とか、地元の機運とかいろいろあったんでしょうけど、そのあたりはこのサイトの範疇外でしょうか。

  2. うーん、大阪での「通勤事情」をよく知らないで書かれているように思います?
    そもそも、阪急梅田駅と、メトロの梅田駅を、同一視?し、乗り換えの手間、かかる時間を無視しているに等しい。これがまずおかしい。
    大抵の人は、乗り換えに手間をかける位なら、直で行ける方を選ぶでしょう。定期券を買うなら尚更です。
    萱野周辺は、バスルートはあるものの、昔からの住宅街で、箕面駅迄はかなり離合の難しい狭隘路線となっており、定時性の確保が課題です。

    阪急に関しては、これも古い計画ながら、千里線を延伸し、北千里駅から箕面駅を結び、変わった形での「環状」運転が計画されていた事があります。
    今になると、この遠大な?計画を実行に移していれば、もっと便利になっていた事でしょう。
    記事をお書きになるなら、 もっと地元民の意見、通勤事情ってものを調査してから、作文…もとい、記事をお書きになって下さいね。