ズラリ「のぞみ」コロナで延期「のぞみ12本ダイヤ」逆にコロナ対策で今日初実施のワケ

1時間あたり「のぞみ」を最大12本まで運転できるようになったものの、コロナ禍で、その能力を発揮できていなかった東海道新幹線。その能力を図らずも2020年8月7日、ひとつのコロナ禍対策として初めて発揮することになりました。

向上した能力を一度も発揮できていなかった東海道新幹線

 お盆を控える2020年8月7日(金)、東海道新幹線で「のぞみ12本ダイヤ」が、およそ5か月遅れで初めて実施されました。以前より2本多い、1時間あたり12本の「のぞみ」を走らせるものです。

 2020年3月14日(土)のダイヤ改正で東海道新幹線は、需要に応じ最大12本まで「のぞみ」を運転できるように、輸送力と利便性を向上させました。その余地が元々あったのではなく、車両性能の向上や車内清掃時間の短縮といった工夫で実現させたものです(上下線合計ではなく片方向だけの本数)。

 しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で運転本数の見直しが迫られ、春分の日の三連休をひかえた3月19日(木)に初めて設定予定だった「のぞみ12本ダイヤ」は中止に。やろうと思えば「のぞみ」を1時間に12本走らせられるにもかかわらず、春休み期間も、ゴールデンウイークも、東海道新幹線はその向上した能力を一度も発揮できない状況が続いていました。

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「のぞみ」がズラリとならぶ東京駅の発車案内(2020年8月7日、恵 知仁撮影)。

 しかし、お盆期間とはいえコロナ禍で需要が大きく下がっているなか、なぜ今回、初の「のぞみ12本ダイヤ」を実施し、輸送力が高められたのでしょうか。東海道新幹線の今夏お盆期間における予約状況も、昨年の20%程度とのこと。

 コロナ禍にみまわれた「のぞみ12本ダイヤ」は、奇しくも逆にひとつの「新型コロナウイルス対策」として、その能力をまず生かすことになっています。

【時刻表】通勤ラッシュのように「のぞみ」続々発車…「のぞみ12本ダイヤ」時刻表

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  1. マケオシミ