東海道・山陽新幹線「ひかり」その未来は? 「のぞみ」と「こだま」の中間

いまは最速の「のぞみ」と各停の「こだま」に挟まれ、やや肩身の狭い東海道・山陽新幹線の「ひかり」。一時は2階建て車両や食堂車を連結しましたが、「ひだま」と揶揄されたことも。今回はそんな「ひかり」に光を当てます。

「ひかり」とは 東京発は1時間あたり1~2本

 東海道新幹線の列車といえば「のぞみ」「ひかり」「こだま」の3種類です。「のぞみ」は最も通過駅が多い列車です。「こだま」は各駅に停まります。では「ひかり」はどんな列車なのでしょうか。「こだま」より早く着くけれど、停車駅は定まらない列車という印象がありませんか。あるいは「のぞみ」よりちょっと安い代わりに、停車駅が多い列車でしょうか。なんだか、つかみ所のない列車といえそうです。

Large 200117 hikari 01
N700Aで運行される東海道新幹線「ひかり」(2016年9月、恵 知仁撮影)。

 運行本数は少なく、東京駅発の「ひかり」は1時間に1本から2本です。これは各駅に停まる「こだま」と同じ。これに対して「のぞみ」の運行本数は3倍以上です。2020年3月のダイヤ改正で、「のぞみ」は臨時列車を含めて1時間あたり12本も設定されます。「ひかり」「こだま」は途中の駅で何回も「のぞみ」に追い越されます。肩身が狭そうです。

 各駅に停まる「こだま」はそれぞれの駅に用がある人が乗降します。16両編成が満席になることは稀です。これは、長距離を移動する人が少ないため仕方ないかもしれません。しかし、筆者(杉山淳一:鉄道ライター)が「ひかり」に乗るときは、8割以上は乗っているなあ、という印象です。もっとも、筆者の「ひかり」乗車は年に数回で、朝の下り新横浜発、夜間の上り新横浜着に限られます。たいてい自由席は満席です。乗車直前に指定席を取ろうとしても、窓際は満席で、通路側があればラッキー。たいてい3人掛けの真ん中です。

「ひかり」にはどんな人が乗っているのでしょうか。まずは「ひかり停車駅」の利用者です。東海道新幹線の「ひかり」は「のぞみ停車駅」のほかに、小田原・熱海・三島・静岡・浜松・豊橋・岐阜羽島・米原の各駅に停まります。「のぞみ」は停まらないけれど、「こだま」より速く行きたい。「ひかり」はそんな人のための列車です。

【写真】2階建て新幹線100系

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

3件のコメント

  1. 杉山さん、6ページ目……。
    > 2020年に東京~名古屋間でリニア中央新幹線が走ると
    まだですまだです!(笑)

    • ご指摘ありがとうございます。 訂正いたしました。

  2. ありがとうございます。ひかり号の利用者に外国人や高齢者が多いのは、ある意味JR東海/西日本が、そうさせてしまったものではないかと思います。ジャパンレールパス(JRP)やフルムーン夫婦グリーンパス(FMGP)はいずれも利用条件に当てはまれば、日本全国のJRグループ全線が新幹線を含めて特急指定席が乗り放題の反面、のぞみ号(2011年春からは、みずほ号も)運行当初の全席指定の時から、そして2003年秋以降の自由席設置からは、その自由席をも含めて一切利用不可となっているので、こだま号では、それしか停まらない駅で乗り降りする場合を除いて目的地への到着が遅すぎる為、必然的にひかり号(新大阪以西では、さくら号も)に流れるシナリオであります。