「ニンジャ・ブレード」がシャキーンと展開 「暗殺」に特化したミサイルなぜできた?
ミサイルといえば、着弾して爆発しその破片などで周辺を加害する兵器というのが一般的ですが、アメリカ空軍のR9Xは弾頭(爆薬)の代わりにブレード(刃)を備えるといいます。目的は「暗殺」。その開発経緯などを追います。
ミサイルで「暗殺」する時代の「ニンジャ・ブレード」
近年、有人攻撃機または無人機に搭載された誘導兵器によって特定個人を暗殺した、といったニュースを耳にします。2020年初頭には、非人道的行為を命令したとされるイラン革命軍のガーセム・ソレイマニ将軍が、アメリカ空軍の戦闘型無人機であるMQ-9「リーパー」の攻撃を受けて死亡しました。この事件はそののち、旅客機誤射事件を引き起こすまでにエスカレートするなど、世界的にも大きな問題へと発展しました。
こうした航空兵器を利用した暗殺は、かつては極めて困難でした。しかし、高い精度の情報を共有するネットワークやセンサー、そして発射数の半数が数十cmの円内に着弾するほぼ必中といってよい誘導兵器の登場によって、いまや市街地内のある特定の部分や個人だけを狙って攻撃することは、(標的の正確な位置情報などを得ることについて考慮しないとすれば)それほど難しい作戦ではなくなっています。
2019年、アメリカにおいて、完全に暗殺に特化したといえる新しいミサイルの存在が明らかにされました。その名はAGM-114 R9X空対地ミサイル。これは既存の「ヘルファイア」ミサイルの変種ですが、「ニンジャ・ブレード」「シュリケン」「クナイ」と言ったニックネームで呼ばれることが多いようです。
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