「ニンジャ・ブレード」がシャキーンと展開 「暗殺」に特化したミサイルなぜできた?

ミサイルといえば、着弾して爆発しその破片などで周辺を加害する兵器というのが一般的ですが、アメリカ空軍のR9Xは弾頭(爆薬)の代わりにブレード(刃)を備えるといいます。目的は「暗殺」。その開発経緯などを追います。

見た目も特性もまさに「ニンジャ」なイメージのR9X

「忍者刀」「手裏剣」「苦無」……なんとも忍者好きなアメリカ人らしいニックネームですが、R9Xのその特性と形状は、日本人から見ても確かにこれらの古典的な投擲武器などを連想することは難しくないかもしれません。

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通常型「ヘルファイア」の模擬弾を搭載したMQ-1「プレデター」攻撃型無人機。元々ヘリコプター搭載用の対戦車ミサイルとして開発された(関 賢太郎撮影)。

 R9Xは通常のミサイルのように推進力となるロケット、そして標的へ誘導するためのレーザー検知器(シーカー)を備えています。唯一、大きな違いは弾頭(爆薬)が無いということであり、R9Xは命中しても爆発することはありません。よって衝突時の運動エネルギーのみによって標的を殺傷します。

 R9Xの直径は18cmしかありませんから、少しでも標的を外せば標的に当たらないといったことも十分に考えられます。そのため6枚の「刃」が展開し、加害範囲を広くすることで殺傷成功率を高める機構を持った弾頭が組み込まれており、これが手裏剣などの名を与えられた特徴となっています。

 R9Xは暗殺に特化しているとはいっても、実のところあまり効率的な武器ではありません。その見た目からどうしても凶悪さが目立ちますが、見た目のわりに弱すぎるのです。爆発によって数十mは飛び散る破片で殺傷する通常弾頭型のほうが明らかに「効率的」ですし安く済みます。しかし「弱い」からこそアメリカはR9Xを必要としました。

【写真】ベクトル真逆な破壊力 すべての爆弾の母「MOAB(モアブ)」

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