ボンネットバスにまさかのEV!? レトロさそのままに進化 目的はエコにあらず

ボンネットの中身は? EV化のメリット

 前出のとおり、従来のディーゼル式のボンネットバスではボンネット内にエンジンが配置されていましたが、今回の電気バスでは車体後部にモーターがあり、ボンネット内には電池の一部が入っているそうです。

 車体デザインは、レトロな建物が多く残る「蔵の街」川越に配慮したものだといいますが、全国で少しずつ導入されている電気バスの多くは、「最新」かつ「環境に優しい」をウリにしており、「レトロ」な表現は異色といえます。イーグルバスの谷島 賢社長によると、既存のボンネットバスが年数を経て置き換えが必要になったということだけでなく、「やはり、これからは電気」という思いから導入したのだとか。

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青い車体も導入(画像:イーグルバス)。

 まずサービス面では、排気ガスがなく停車中のアイドリングストップが不要なことから、エアコンが止まることもなくなるといいます。また、ギアの概念がない無段変速であるため、シフトチェンジにともなうショックもなし。「路線バスはこまめに停車と発進をくり返すため、ギア回りの負担が大きいのですが、それも軽減できます」と谷島社長は話します。

「ディーゼルのバスと比べて部品数が圧倒的に少ないですし、オイルなどもなくなります。バスの場合、故障の多くはオイルに絡むもので、オイルまみれになることが、整備士のなり手不足にもつながっています。電気バスになることで、根幹からいろいろ変わります」(イーグルバス 谷島社長)

 このように、電気ボンネットバスの導入は、トータルでの整備コスト削減を見込んだものだそう。また、将来的に自動運転となった際にも、EVのほうがそのシステムを取り入れやすいといい、導入の拡大も検討しているそうです。

 ちなみに値段は1台およそ5000万円ですが、これは、利用者から要望の多かった「PASMO」などの交通系ICカードに対応するための費用も含んだ価格だといいます。

【了】

【写真ギャラリー】電気ボンネットバス車内/車体ライトアップ時

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コメント

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1件のコメント

  1. エンジンを後部から前部?そんな改造申請の構造変更あったかな?
    マイクロバスでリヤエンジンとなると日野リエッセ?先代のRB型か?
    ん〜、NISSANシビリアンならキャブオーバー登録で元から前部エンジンなんだけどな。
    有り得る改造としては運転席を前軸後ろに移してボンネット形状を形成する車枠の構造変更しか思い浮かばないけどな。
    それならペラシャフトなどの改造も無く可能だけど、ボンネット形状を形成するに原動機を前に移すとなると相当な補強と特別な部品が必要になるけど?