レーダーに見るイージス・アショア断念の善後策 その切り札「AN/SPY-6」とは?
アメリカ海軍艦艇の「目」たるAN/SPY-6ファミリー
AN/SPY-6(V)1は「RMA(Radar Modular Assembly)」と呼ばれる、送受信モジュールを複数個組み合わせてレーダー・アレイを構成する仕組みとなっており、AN/SPY-6(V)1は37個のRMAでレーダー・アレイを構成しています。
さらにレイセオン・テクノロジーズは、9個のRMAを組み合わせたレーダー・アレイを回転させるAN/SPY-6(V)2と、同じく9個のRMAを組み合わせたレーダー・アレイを艦の3か所に固定配置するAN/SPY-6(V)3という、ふたつの派生型レーダーを開発しており、前者はアメリカ級強襲揚陸艦の3番艦以降、サン・アントニオ級ドック型揚陸艦の13番艦以降に搭載されるほか、2020年8月現在、ニミッツ級原子力空母が搭載しているSPS-48/49対空レーダーとの交換も決まっています。また後者もジェラルド・R・フォード級原子力空母の2番艦以降と、新たに建造される新型フリゲート「FFG(X)」への搭載がそれぞれ決定しています。
レイセオン・テクノロジーズは、24個のRMAを組み合わせたAN/SPY-6(V)4という派生型レーダーも開発していますが、このレーダーも「マスティン」など43隻が就役済みのアーレイ・バーク級フライトIIA仕様艦のうち15隻に、現用のAN/SPY-1の代わりに搭載されることが決まっており、今後、就役するアメリカ海軍の水上戦闘艦のほとんどは、AN/SPY-6ファミリーを搭載することになります。
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