ミグとスホーイ統合でロシア戦闘機どうなる? その背景と現状 そして今後は…
旧ソ連およびロシアの戦闘機開発を長年にわたり担ってきた、ミグとスホーイの両航空機メーカーが統合に向け大きく前進しています。いずれも世界を舞台に活動していたメーカーでしたが、背景に何があり、そして今後どうなるのでしょうか。
「ミグ」の名は消えてしまうの?
今後どのように推移するのかは分かりませんが、いますぐにミグが無くなるということはありません。
ミグ、正式名称「ロシアエアクラフトコーポレーション ミグ(RAC MiG)」は、少数ではありますがいまだ生産と近代化改修が続くミグ戦闘機ブランドを統括するとともに、現在はロシア製旅客機スホーイスーパージェット100(SSJ100)の整備拠点を建設しており、今後SSJ100の整備業務を担う見込みとなっています。また大型迎撃戦闘機MiG-31の後継機開発計画「PAK-DP」は、通称MiG-41とも呼ばれています。
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2020年8月現在、ユナイテッドエアクラフトの組織内におけるスホーイ、ミグの位置付けは、以下のようになっています。
●株式会社ユナイテッドエアクラフト
・株式会社 ロシアエアクラフトコーポレーション ミグ
エンジニアリングセンター「ミコヤン実験設計局」(航空機開発部門)
・株式会社スホーイカンパニー
株式会社スホーイ設計局(軍用機開発部門)
・株式会社イルクートコーポレーション(旧 株式会社スホーイシビルアビエーション〈民間機開発部門〉、2020年2月27日、スホーイより分離のうえイルクートへ統合)
【了】
Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)
1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。
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