ミグとスホーイ統合でロシア戦闘機どうなる? その背景と現状 そして今後は…
事実上はスホーイがミグを吸収合併…背景になにがあった?
旧ソ連時代においては東側戦闘機の代名詞的存在だったミグ設計局は、冷戦終結後、その主力製品であるMiG-29シリーズ及び再設計によって大規模性能向上をはかったMiG-35の販売不振に見舞われ、長期にわたって苦戦を強いられていました。
一方、スホーイはSu-27シリーズの輸出が好調でした。そして2010年代は石油価格の高騰からエネルギー輸出に依存するロシア経済がかつての経済危機から復活、同時にロシア空軍は主力だった古い旧ソ連時代の戦闘機を一気に退役させ、スホーイSu-27SM、Su-30SM、Su-34、Su-35といった近代改修型を大量発注しました。
この時期、スホーイの戦闘機販売実績はミグを大きく引き離していました。今回の統合は事実上、スホーイ優位によるミグの吸収合併であるといえます。
一方で、ロシアの航空戦力刷新はほぼ完了しており、今後ロシア製戦闘機の生産、開発はほぼ確実に縮小する見込みとなっています。スホーイとミグの統合の目的は、2020年代以降の戦闘機市場縮小に備えた措置であると考えられます。
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