訓練空港からリゾート風空港へ… 今秋路線増「下地島空港」の稀有な経歴 随所に名残り
下地島空港に現れた「変化」 そして大改造へ
ただこの下地島空港は訓練用施設だけあって羽田空港A滑走路や那覇空港A滑走路など、いわゆる国内の主要空港と同じ3000mの滑走路を持つなど、離島空港のなかでは充実した設備をもっていました。
しかし当時、下地島や陸づたいで隣接する伊良部島は、宮古島とは船で行き来する必要があり、いってしまえば「離島の離島」の状態でした。これが解消されたのが、2015(平成27)年に開通した、宮古島と伊良部島を結ぶ伊良部大橋です。
この伊良部大橋の開発途中に持ち上がったのが、下地島空港を地域のインフラとして一層活用しようといった動きでした。2014(平成26)年に沖縄県が、下地島空港の利活用する民間事業者を募り始めます。三菱地所などが名乗りを上げ、事業候補者として選ばれました。
三菱地所を中心に始まった下地島空港の利活用事業の提案の中には民間航空会社の受け入れも含まれており、これまでの日本の空港にないような、さまざまなアイデアが導入されます。
タイのリゾート地にあるサムイ空港など、外国の地方空港からインスピレーションを受けたとされるターミナルは、木材がふんだんにあしらわれ、保安検査場を抜けたところに大きな水盤が設置されているのが特徴です。制限エリア内も、屋外スペースが広く取り入れられ、屋内の搭乗待合室が航空会社ラウンジのような造りとなりました。
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