掘り抜く先を間違えた?「2階建てトンネル」できたワケ 素掘りトンネル王国の超個性派

千葉県の房総半島に数多く存在する素掘りトンネル、そのなかでも極めて個性的な「2階建てトンネル」と呼ばれるものがあります。トンネルの上にもうひとつ、トンネルの出口があるというもの。どういうことなのでしょうか。

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千葉県にある「2階建てトンネル」。

 千葉県の房総半島には、むき出しの岩肌がそのままの「素掘りトンネル」が多数存在します。そのなかでも特徴的なものに、「2階建てトンネル」と呼ばれる養老渓谷の共栄・向山トンネル(大多喜町)が挙げられるでしょう。

 このトンネルは県道81号から西へ少し折れたところにあり、抜けた先は養老川に架かる橋です。その名の通り東側から92mが「向山トンネル」、西側から23mが「共栄トンネル」という名で、1本のトンネルで2つの名前が付いています。

 東側から進むと、坑口付近はコンクリートで補強されていますが、すぐに素掘りの岩肌がむき出しになります。やがてトンネル上部がやけに高くなり、下り坂に。その先、やや左にカーブしたところにトンネルの出口がその先に見えるのですが、坑口付近のコンクリートで補強された部分のうえに、ぽっかりと別の坑口が空いており、トンネル内部に光が差しているのです。これが「2階建てトンネル」と呼ばれるゆえんです。

 実はこの「2階」の部分が、もともとの坑口でした。昭和40年代、トンネルの途中から下り坂になるような形で、別の坑口を通したのです。その際に、もとの坑口を埋め戻さなかったことから、珍しい「2階建て」の光景が誕生しました。

 ちなみに、房総半島で素掘りのトンネルが多いのは、柔らかい地質で比較的容易に掘ることができるため、ともいわれます。道路になっているものだけでなく、民家のまわりにも、物置として掘られたようなくぼみや、人ひとりが屈んで入れるようなトンネルも見られます。

【了】

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