ジブリ映画にも登場! 実は凄い「双胴の飛行艇」サヴォイアS.55の大パフォーマンス飛行

第1次世界大戦後、民間航空の飛躍的な発展により新たな航空路が開設されるなか、新型飛行艇の開発もスタート。新型機はイタリア空軍のデモンストレーションにも用いられ、指揮した空軍大将はアメリカ大統領から勲章まで授与しました。

大将自ら率いたイタリア空軍の一大遠征

 高性能なS.55X型飛行艇24機からなる大編隊は、1933(昭和8)年6月1日にイタリアの首都ローマ近郊にある港町オルベテッロを飛び立つと、イギリス領北アイルランドやアイスランドの首都レイキャビクを経由し、48時間後にカナダへ無事到着、約2400kmの大西洋無着陸横断飛行に成功したのでした。

 カナダ到着後、今度はアメリカに向けて再び飛行します。まず北米大陸内陸部にあるシカゴ上空にV字形の編隊で現れると、市民から熱狂的な歓迎を受けたのでした。ちなみにこの偉業を受けて、シカゴ市内の7番目の大通りは「バルボ通り」に改名されています。

 さらにニューヨークではブロードウェイで大パレードが開かれたほか、アメリカのルーズヴェルト大統領からバルボ空軍大将に対して飛行十字勲章が送られます。こうして、イタリア空軍としての大々的なパフォーマンスを成功させたバルボは、帰国したのち新たに設けられた空軍元帥のポストに就きました。

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大西洋横断飛行用のS55X型飛行艇。イタロ・バルボ空軍大将が搭乗した同機は、主翼下面に民間コード“I-BALB”が描かれている(吉川和篤作画)。

 これら数々の遠征飛行の成功により、S.55型飛行艇はブラジルやスペイン、ルーマニアの各国軍にも採用されたほか、民間機としてソ連のアエロフロート航空でも就航しています。またイタリア本国においても、第2次世界大戦終結まで洋上哨戒機として使用されました。

 ちなみに、このモダンなデザインの飛行艇も『紅の豚』に登場します。S.55型飛行艇はファシスト・イタリア空軍の所属機として登場するので、その姿をチェックしてみると面白いかもしれません。

【了】

【写真】デザインは秀逸? 巨大な双胴飛行艇の飛ぶ姿

Writer:

1964年、香川県生まれ。イタリアやドイツ、日本の兵器や戦史研究を行い、軍事雑誌や模型雑誌で連載を行う。イラストも描き、自著の表紙や挿絵も製作。著書に「九七式中戦車写真集」や「イタリアの中戦車・重戦車写真集 」、「イタリア軍写真集」など。

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コメント

1件のコメント

  1. S.55X型飛行艇の写真を見るとすごいと思う。双胴の機体に数十人の状況が居て小さな丸窓から外を見ている。

    実際は乗員は5-6人の小型機、よく考えたらエンジンとプロペラの大きさを見たらわかる。

    エンジンを櫓のうえに組む方式は効率が悪い。しかも2台を直列に配置、十分なパワーを出す大型エンジンが無かったから仕方なくやった方式。

    写真で見るとかっこいいけど、多分実物を見たらショックを受けるかも?写真写りのいい女??

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