切り札「ポケット潜水艦」アメリカ本土攻撃を企てたイタリア海軍の奇策 別名カンガルー

第2次世界大戦中のイタリア海軍の活動は、誰もが知るような華々しさはないものの、潜水艦や小型潜航艇を用いて幾多の戦果を挙げました。その秘密兵器のひとつに、「ポケット潜水艦」なるものがありました。

「ポケット潜水艦」って何ぞや?

 第2次世界大戦中のイタリア海軍というと、あまり華々しい戦いというのは聞いたことがありませんが、実は潜水艦や小型潜航艇を用いて幾多の戦果を挙げました。潜水艦であればドイツ海軍や旧日本海軍の方が知られていますが、イタリア海軍の潜水艦はどのように戦ったのでしょう。今回は、そのなかでも秘密兵器といえる「ポケット潜水艦」を見てみます。

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1943年9月のイタリア休戦後、枢軸側となったイタリアR.S.I.海軍で使用されるCB型ポケット潜水艦。喫水線上に魚雷発射管が確認出来る(吉川和篤所蔵)。

 1935(昭和10)年10月、イタリアは北アフリカのエチオピアに侵攻。この進軍により、フランスやイギリスはイタリアを警戒するようになり、地中海は一挙に緊張状態へ突入します。そこでイタリア海軍は、フランス・イギリス2か国の海軍と衝突した際、切り札となる特別攻撃の研究を秘密裏に始めます。

 当初計画されたのは、フランスやイギリスの海軍基地に侵入して時限信管付き弾頭を敵艦下に取り付けて破壊するコマンド兵器(S.L.C.)でしたが、これとは別に、魚雷を発射するタイプの小型潜水艦も計画され、1936(昭和11)年、イタリア海軍は極秘裡に開発をカプロニ社に依頼。その結果、ポケット潜水艦(Sommergibile Tascabile)と呼ばれる、ふたり乗りの超小型潜水艦が2隻造られました。

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小型ながら潜望鏡や魚雷発射管を下部左右に装備して、ハコフグを思わせるシルエットのCA1/2型ポケット潜水艦。当初は特殊作戦以外に沿岸警備での使用も考えられていた(吉川和篤作画)。

 これらは各々「CA1型」および「CA2型」という名称で、1938(昭和13)年4月に完成します。両者は排水量わずか13.5トンで、450mm魚雷発射管を胴体下面に持ち、水上航行時には60馬力ディーゼルエンジンを、水中では静粛性のある25馬力電気モーターを使用しました。

 テストをしてみると、この超小型潜水艦は航続距離が短いため遠洋航海には適さないと判断されたものの、短距離の泊地攻撃には有効であると認識され、部隊配備が認可されます。こうして、1941(昭和16)年3月に新編された第10 M.A.S.(デチマ・マス)部隊に、2隻とも配備されました。

【写真】こりゃ小っちゃいわ まさに「ポケット潜水艦」

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コメント

1件のコメント

  1. 米本土攻撃は日本の潜水艦搭載機によるものばかり取り上げられますが、イタリアもすごい!!
    架空戦記さながらの奇想天外兵器ですね。