鶴見線の廃線跡がいろいろ豪快だった いまも残る「線路まるごと持ち上げ装置」

神奈川県の臨海工業地帯を走る鶴見線には、かつて貨物輸送に使われていた鉄道施設の遺構がいくつか残されています。中には、線路を持ち上げる巨大な機械まで。今回、現地を訪ねてきました。

鶴見線にある廃線、地味にすごかった

 京浜東北線の鶴見駅から臨海工業地帯へと伸びる「鶴見線」は、いくつかの支線があります。このうち通称「大川支線」と浜川崎駅周辺には、かつての貨物輸送を担った線路や鉄道施設の遺構が残されています。

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大川駅に残る踏切の遺構(乗りものニュース編集部撮影)。

 さっそく現地を歩いてたいところですが、鶴見線は工場従業員の輸送を主とするダイヤになっているため、時間帯によって列車の本数に大きな偏りがあるので注意です。特に大川支線は、平日日中の9時台から16時台に列車が1本もありません。この時間帯は、徒歩か路線バスを利用することになります。

 さて大川駅に到着しました。簡素なホームが1本あるだけの小さな「ターミナル駅」ですが、その脇には貨物ヤードの痕跡である線路や踏切が残っています。かつて日清製粉や昭和電工の貨物列車が走っていましたが、現在はトラック輸送に代わっています。

 次に、武蔵白石駅から浜川崎駅まで、線路に沿って歩いていきましょう。この区間では鶴見線の本線に並行して貨物線の廃線が存在し、廃線のほうは途中から高架になります。その手前で、2本のやぐらのようなものが見えてきます。

 これは「昇開橋」と呼ばれる施設で、国内の現存例はわずかしかありません。この場所では工場の運搬道路が線路を横断しており、地上の鶴見線には踏切が設けられていますが、廃線のほうは高架橋であり、踏切が設置できません。そこで、2本のやぐらで線路を橋げたごと持ち上げ、トラックなどが通行できるようにしているのです。

 この廃線は、鶴見線と東海道貨物支線と鶴見線をつないでいたもので、現在も施設が残されています。

 ちなみに、日本に残る昇開橋としては、旧国鉄佐賀線の筑後川昇開橋が有名です。国鉄佐賀線は長崎本線の佐賀駅と鹿児島本線の瀬高駅を結び、1987(昭和62)年に廃止されました。赤いトラス鉄橋が美しい筑後川昇開橋は現在、重要文化財と機械遺産に指定されています。

【了】

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