ZIPAIRは王者「パンナム」の再来!? かつて主流のデザイン「チートライン」の紆余曲折

JALが展開するLCC「ZIPAIR」のデザインは、ある意味かつて航空業界を席捲したデザインと共通するものがあります。機首から尾部にかけて窓枠に一直線に伸びる「チートラン」の紆余曲折はどのようなものがあったのでしょうか。

「チートライン」が減る一方で増えてきたトレンドとは

 ただ、1980年代くらいから、塗料の軽量化など進歩を遂げたことや、整備性が向上したことなどから、機体全体を塗装する、といったトレンドが生まれます。従前どおりホワイトをベースにしながらも、各社それぞれのデザインを施したものが増えていく一方で、「チートライン」の全盛期が徐々に過ぎていったのもこの頃です。

 筆者(種山雅夫、元航空科学博物館展示部長 学芸員)は、個人的にはパンナムのビルボードデザインには郷愁があり、次々と国際路線をユナイテッド航空などに売り払い、頼みの南米線をこの塗装でエアバスA310を用いて飛ばしていたことを思い出し、なんとももの悲しくなってしまいました。

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パンナムのボーイング747型機。(画像:clipperarctic[CC BY-SA〈https://bit.ly/2TugrZ0〉])。

 その後、ホワイト以外の塗料も進歩したため、ほかの色合いも機体塗装に使用できるようになり、機体全体を赤や青に塗装するエアラインまで登場します。

 そのような変遷のなか生まれたのが、世界中でも特別塗装機の走りともいえるANAの「マリンジャンボ」です。1993(平成5)年にデビューしたこの全塗装の特別デザイン機は、企業イメージにも大きく関わっていたことから、少しでも汚れや欠損があると羽田で頻繁に塗装の補修を実施しており、整備が大変だったと聞いたことがあります。

 ちなみに「マリンジャンボ」が導入されて以降は、「デカール」と呼ばれるシールタイプの塗装技術が進歩し、貼り直しが効き、剥がすのも簡単、さらに写真も印刷できるといった理由などから広く機体デザインに採用されていきます。これも近年の機体デザインの多様化に貢献しています。

 デザインが多様化するなかZIPAIRが導入した「チートライン」。1周回っていつの日かまたトレンドになったりする日も来るのかもしれません。

【了】

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