なぜあった? 50年前の池袋西武に超本格的ヘリポート お歳暮は「ベルちゃん」で即日配送

百貨店屋上に管制塔や航空灯火 給油場所はなんと所沢の…

 そもそも、なぜ西武百貨店がこの時期にヘリポートを設置するまでに至ったのかというと、当時はヘリコプター事業が将来有望と目されていたことから、斬新な発想で急成長を続ける同百貨店がこれに着目したのです。

西武百貨店は、若き店長・堤 清二(当時)が、商品だけでなく“生活技術”の提供を目指す「百貨店から百貨業へ」というスローガンを掲げていたこともあり、都心を起点にする定期航空路の開設を構想するなかで、朝日ヘリコプター(現・朝日航洋)への資本参加などを行っていました。

 そのような経緯から、百貨店にもヘリコプターの離着陸ができる設備を設ける計画を立て、建物に約1億5000万円かけて構造を強化するとともに、管制塔や航空灯台を備えた面積3600平方メートルの立派な屋上ヘリポートを設置したのです。

Large 201202 seibu 02
西部スカイステーションで運用されていたベル47Gヘリコプター(作画:リタイ屋の梅)。

ただし給油施設は法令の規制から設置できなかったため、代替地として埼玉県所沢市にあった西武鉄道の車両工場(2000年廃止)に開設しました。

ちなみに「西武ヘリポート」でなく「西部ヘリポート」と命名した理由は、一企業の私物にとどまらない公共施設をこころざしたとも、羽田空港から当時計画中であった成田空港のルートに「東部ヘリポート」の建設構想があったからとも言われます。

【写真】ヘリポートあった! 1960年代前半の西武百貨店屋上

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

1件のコメント

  1. お歳暮をどのように送り届けたのでしょうね?送り先に連絡しておいて近隣の路上に投下とか?中国あたりではドローンによる配送も研究されているようですが東京では禁止ですね。
     サンパウロでは車だと強盗に遭うのでエグゼクティブは自邸からヘリで会社に向かうんだとか。本当ですかね?