なぜあった? 50年前の池袋西武に超本格的ヘリポート お歳暮は「ベルちゃん」で即日配送

高度経済成長期、垂直離着陸できるヘリコプターは次世代の交通機関として注目されます。そのころ、池袋駅に隣接して建つ西武百貨店に管制塔も備えた本格的なヘリポートが開設され、「ヘリでお歳暮輸送」も行われました。

お歳暮を運んだ「ベルちゃんのスピードサービス」

「東京ど真ん中の屋上ヘリポート」は大きな話題となり、金魚鉢を思わせる愛らしい外見のベル47とともに子供向け雑誌からファッション広告、新聞や映画などに連日登場する人気ぶり。1961(昭和36)年から1962(昭和37)年のお中元やお歳暮の時期には、「ベルちゃんのスピードサービス~西武航空便」と銘打った新聞広告を出し、衣料品や扇風機などの家電、飲料や菓子などの贈答用高級品をヘリで都内各所に即日配送するという驚きのサービスまで展開しました。

 1963(昭和38)年8月には、百貨店の定休日に館内で実施された防虫作業での不手際から出火した際、屋上に居合わせた川崎KH-4ヘリコプターが、屋上に逃れた人々を近隣の豊島消防署前にあった空き地へピストン輸送し、15名を救助する一幕もありました。

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ベル47ヘリコプターを基に川崎重工が独自改良したKH-4型ヘリコプター(作画:リタイ屋の梅)。

 そんな話題になったヘリポートも1963(昭和38)年のうちに廃止されました。残念ながら理由は不明です。一説によると、世界初の垂直離着陸可能な旅客機としてイギリスで開発されていたフェアリー「ロートダイン」の就役まで考えていたといいます。

しかし、半世紀以上たったいまではその痕跡はほとんど残っておらず、そこには代わりに冒頭に記したようなフードコートが開設されています。筆者(リタイ屋の梅:メカミリイラストレーター)としては、カツオ節がたっぷり乗った讃岐うどんをすすりながら、当時足元に描かれたヘリポートを示す「H」のマークを思い描くしかありません。

【了】

【写真】ヘリポートあった! 1960年代前半の西武百貨店屋上

Writer:

1967年生まれ。「昭和30~40年代の自衛隊と日本の民間航空」を中心に、ミリタリーと乗りもののイラスト解説同人誌を描き続ける。戦後日本史も研究中。

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コメント

1件のコメント

  1. お歳暮をどのように送り届けたのでしょうね?送り先に連絡しておいて近隣の路上に投下とか?中国あたりではドローンによる配送も研究されているようですが東京では禁止ですね。

     サンパウロでは車だと強盗に遭うのでエグゼクティブは自邸からヘリで会社に向かうんだとか。本当ですかね?

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