公共交通の需要回復「いいことばかりじゃない」? 注目される変動運賃 本当の悲劇は

全国の公共交通の関係者がオンラインで参加した研究会で、バスなどの利用状況や取り組み、これからのビジョンが話し合われました。今後考えられる、需要の回復による非効率性の拡大、それを回避するため「変動運賃」が注目されています。

「オフピークは運賃半額」「紙のきっぷは価格2倍」

 その手段として取り上げられていたのが、「時間帯別運賃」と、予約状況などに応じて先々の便の運賃がリアルタイムに変動していく「ダイナミックプライシング」です。

 JR東日本やJR西日本は、ピーク時間帯を避けた乗車にポイント還元などでインセンティブを付与する取り組みを今後行う予定です。またダイナミックプライシングは、ホテルや航空、あるいは夜行高速バスなどで導入されていますが、京王電鉄バスなどは、これを高頻度で運行する昼行の高速バスに適用しています。

 交通経済研究所の渡邊 亮さんによると、これらは海外ではコロナ以前から広く導入されているといいます。たとえばロンドンの地下鉄では、平日6時30分から9時30分と、16時から19時のあいだを「ピーク」とし、中心部区間内はピークとオフピークの運賃差を小さく、郊外に行くほどその差を大きく設定。これはICカード利用の場合で、紙のきっぷは全時間帯を通じ、オフピークと比べ2倍程度の値段になっているといいます。

 またオーストラリアのシドニーでは2020年を通じ、オフピーク時間帯の割引率を30%から50%にしたり、ピーク時間帯の幅を拡大したりして、感染者数の動向を踏まえながら諸条件を柔軟に設定したそうです。

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シドニーのサーキュラー・キー駅付近(2019年、乗りものニュース編集部撮影)。

 会では各事業者から、このような公共交通にマーケティングの手法を導入した事例や、コロナ禍を踏まえたオンラインイベントの取り組み、デジタル化の拡大事例などが紹介されました。

 交通経済研究所の渡邊さんは発表の最後で、「海外の事業者や研究者と最近よくする会話」として次のような内容を紹介しています。

 日本の公共交通の利用者は「一時期よりは回復したけど、まだ3割減くらい」と言うと、海外の人からは「うちは『3割』だよ! なんでそんなに乗客いるの!?」といった風に驚かれることが多いのだとか。コロナ禍でも従前と比べて7割の乗客が戻っている状況は、それだけ日本の公共交通が信頼されている証なのではないか、と話します。

【了】

【グラフ】まさにガッツリ変動運賃 ロンドンとシドニーの例

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コメント

4件のコメント

  1. 変動運賃については、途中下車制度のあるJR等の場合、それとの兼ね合いがあるので、

    近距離で完結する地下鉄等よりもハードルが高そうです。

  2. JRは東京・名古屋・大阪で施行中の特定運賃のうち、定期券だけ漸次的に撤廃すれば、ピーク時の競合他社への旅客の逸走?を図れるし、増収にもなるかもしれないので良いんじゃないですか?

  3. >紙のきっぷは全時間帯を通じ、オフピークと比べ2倍程度の値段

    これ北海道や四国でやられたら鉄道網が確実に消える。

    どーでもいいが東京基準で物事考えるのはやめてほしい。地方の実情も見据えて討論してほしいもの。

    • ほんとそれ。

      先に全国でICカードを使えようにしてからだろと思います。

      非対応地域が無駄に多い。

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