真冬の空港 旅客機の操縦どう変わる? 違いは地上走行から… ANAパイロットに聞いた
違いはたくさん! 冬特有のフライトの工夫とは
ANAのパイロットによると、冬季運航の際には、たとえば出発時、到着時のフラップ(主翼についた高揚力装置。低速の際に展開することで、翼の面積を増やし揚力を得るために用いる)を出し入れするタイミングに違いがあるといいます。
「出発時は通常、自走を始めるときにフラップを降ろしますが、降雪、積雪時の離陸では滑走路の手前まで行ってから出すことが多いです。これはフラップを降ろしたまま誘導路を走行すると、雪氷が付着してフラップ周辺が固着し、離陸後の飛行に影響が出ることを防ぐためです」
では、着陸の際はどうなのでしょうか。
「着陸後は通常、滑走路を離脱した際にフラップをしまいますが、雪が降っている滑走路に着陸した際などは、フラップを降ろしたまま駐機場まで進むことが一般的です。これは、フラップ付近に雪氷が付着していると、フラップ収納の際に翼やフラップを破損してしまう可能性があるためです。この場合、駐機場に到着したのち整備士が目視点検をして問題ないことを確認してから収納を行います」
このほか、北日本や日本海側といった雪深い地域にある空港では、とくに事前準備、上空での情報収集、進入・着陸時の判断など多くの知識と能力が求めるとも話します。
たとえば北陸地方周辺は「一発雷」と呼ばれる非常に強いエネルギーを持った雷が発生することから、雷に気を払ったルートを飛ぶようにするといいます。
また、冬型の気圧配置で日本海側に発生する雪雲の高さは、おおむね高度約3000m程度が一般的で、これは着陸の10分前程度にあたるとも。このため、着陸前にCA(客室乗務員)が実施する安全性チェックをCAが着席したままアナウンスで対応したり、15分前などに早めて実施したりするなど、パイロットが状況に応じて判断して指示を出しているとのことです。
【了】
YouTubeの「脱サラ元機長の雲さんテレビ」でそれそのものを言っていましたね。
これ、それを視聴してから取材したとか??