コロナ後のバスや鉄道を救うか「変動運賃」 「ラッシュ時は高い」は受け入れられる?
大きく減少した公共交通の需要は、「コロナ後」もその影響が続くと見られます。そこで路線バスや鉄道で注目されているのが、需要量に合わせて運賃を変える「繁閑別運賃」などの変動運賃です。実際どうなるのでしょうか。
実は「進化」してきた変動運賃
「新型コロナウイルス感染症」により、路線バスなどの公共交通は大きな影響を受けました。今後、感染が収束しても、一部で在宅勤務が定着するなどすれば、人の移動は「コロナ前」の水準まで戻らない恐れがあります。
そこで注目されるのが、需要量に合わせて運賃を変える「繁閑別運賃」です。
鉄道では、JR東日本とJR西日本が、通勤ラッシュ時とそれ以外で運賃額を変える「時間帯別運賃」導入の可能性に触れています。高速バスでは、2020年12月以降、両備バス、京王電鉄バス、JR東海バスらが立て続けに、予約状況に応じて運賃が変動する「ダイナミック・プライシング」導入を発表しました。
いずれも、曜日や時間帯による需要量の違い、つまり「繁閑の差」に合わせて運賃を変えるものです。ただ、具体的に見てみると、様々な手法があることがわかります。
高速バスの運賃体系を例にとると、以前は、国の認可を受けた正規運賃と、1割引の往復割引や回数券、2割引の学生割引程度しかありませんでした。2002(平成14)年以降、立て続けに制度改正があり、「席数(または早期の予約)限定の割引運賃」の導入が進み、やがて「乗車日ごとの需要予測に応じた、繁閑別運賃」が普及しました。後者は、アルファベットによる運賃ランクがカレンダー形式で示されるので、「カレンダー運賃」と呼ばれます。
航空やホテル業界に目を転じると、予約の進捗などに応じて、随時、価格や販売方法を変動させる「レベニュー・マネジメント」という手法が定着しています。当初は、ランク設定した複数の割引価格の適用上限(席数や室数)を変える「在庫数コントロール」が中心でしたが、近年では、価格そのものを上下させる「プライス・コントロール」が主流です。後者を「ダイナミック・プライシング」と呼ぶことも増えています。
最近では、前述の通り、高速バスでもダイナミック・プライシングの導入が始まっています。つまり、高速バスは回数券に始まり、「席数限定または早期予約限定の割引→カレンダー運賃→ダイナミック・プライシング」というふうに、ホテルなどと同様、運賃施策を徐々に高度化させているのです。
変動制運賃ではもし出場の時刻で判定するなら鉄道の責により列車が遅れたらどうするのでしょうか。
混雑路線の定期券の割引率を低くして、迂回可能な路線では高くしてはいかがですか。
JRが東名阪の私鉄との一部の平行路線で施行している特定運賃を段階的に他の路線の賃率に近づけていくのはどうですか。JR車内の密状態が緩和され増収にもなり得ます。
ある程度の運賃値上げを認め、地方路線までの維持と混雑緩和(及び女性専用車両に関する対立等)が実現されることを願う
都市交通、私鉄はわかりませんが、民間路線バスは過去にIC化などの口実で時間帯割引回数券を廃止して実質値上げした経緯があるので、もはやオフピーク○割引という余力はないでしょう。
簡単な手続きで値上げ(ピーク○割増し)を許容する方法を考えてないといけません。