コロナ後のバスや鉄道を救うか「変動運賃」 「ラッシュ時は高い」は受け入れられる?
社会になじむか変動運賃 利用者のメリットは
次に「需要予測の壁」があります。予約制のサービスなら、過去の乗車実績と最新の予約状況を分析し、需要を精緻に予測することが可能ですが、非予約制路線では、大雑把な予測しかできません。
さらに「周知の壁」もあります。予約制路線では、近年、ほとんどがウェブ予約です。担当者の判断がウェブ上に瞬時に反映され、乗客はその金額を自身で確認して予約します。しかし、非予約制路線では、事前に乗客に運賃額を周知することが困難です。
もっとも、通勤通学で使う短距離高速バスや路線バスにまで、本格的なダイナミック・プライシングを導入する必要はないでしょう。「平日ラッシュ時とそれ以外」の2段階で運賃を分ける程度でも、十分に意義があります。交通経済研究所の渡邉 亮氏によると、ロンドン地下鉄の運賃は、「オフピーク」に乗車すると「ピーク」に比べ、乗車区間によっては4割ほど安くなるそうです。
日本では一般的に、従業員の通勤費用を勤務先が負担します。時間帯別運賃により通勤ラッシュを解消するためには、企業や従業員をはじめ社会が趣旨を理解し、勤務形態を変えてくれることが必要です。
「混雑している便に限って運賃が高い」という矛盾が生じることも否定できません。しかし、全体的にみると、「その時間帯に乗車しないといけない人は、運賃は高くなるものの今より快適に乗車でき、時間帯を変えてもいい人は安く乗車でき、事業者にとってはコストを抑制できる」というメリットがあります。
将来的には、より積極的な活用も考えられます。近年は気象、人流、渋滞などのデータを入手、分析しやすくなっています。予約制でないサービスにおいても、過去の乗車実績とこれらのデータを組みあわせ、「近い未来の姿」を精緻に予測することができます。技術面だけで言えば、タクシーや宅配便といった分野で、ダイナミック・プライシングに近い運賃変動を導入することも可能です。
変動制運賃ではもし出場の時刻で判定するなら鉄道の責により列車が遅れたらどうするのでしょうか。
混雑路線の定期券の割引率を低くして、迂回可能な路線では高くしてはいかがですか。
JRが東名阪の私鉄との一部の平行路線で施行している特定運賃を段階的に他の路線の賃率に近づけていくのはどうですか。JR車内の密状態が緩和され増収にもなり得ます。
ある程度の運賃値上げを認め、地方路線までの維持と混雑緩和(及び女性専用車両に関する対立等)が実現されることを願う
都市交通、私鉄はわかりませんが、民間路線バスは過去にIC化などの口実で時間帯割引回数券を廃止して実質値上げした経緯があるので、もはやオフピーク○割引という余力はないでしょう。
簡単な手続きで値上げ(ピーク○割増し)を許容する方法を考えてないといけません。