開業延期「宇都宮LRT」なぜ? 車両納入も遅れ 事業費200億円増の内訳は
増額分は何のため?
事業費の増額理由について市は、「現地の施工条件等への対応」「建設需要の増加などの社会情勢の変化」「安全性・利便性の向上など」「地下埋設物等移設費」と大きく4つ挙げています。なかでも最大となる102億円増を見込んでいるのが、「現地の施工条件等への対応」です。
鬼怒川周辺などで軟弱地盤層(沖積礫質土層)が確認されたため、高架橋を支える橋脚の杭をより地下深くまで伸ばすことや、地盤改良の範囲(改良深)をより深くする必要があるといいます。また同じく鬼怒川近くに設けられる車両基地については、近年頻発しているゲリラ豪雨などの豪雨災害対策として地盤をかさ上げするとしています。
このほか事業費の増額は、停留場の安全対策や、車両の仕様変更にも計上しています。後者は、「車いすスペース等の確保によるバリアフリー性の向上」「独自性の高いデザインの採用」「車内外カメラの増設等車両の全扉からの乗降可能となる運賃収受方法の採用と、地域連携ICカードシステムの導入による利便性の向上」が理由です。
なお、対象事業費の50%に国の補助金を充当予定といいます。
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テーマ特集「【特集】どんな路線? 75年ぶり新設の路面電車「芳賀・宇都宮LRT」」へ
20世紀にはLRTなどは革新系政治家の釣り文句でしたが、今やこれも打出の小槌と思われてるフシがある?もっとも他の公共事業が途中で建設費が膨らんでも検証されることは少ないのかもしれません。中央と地方の債務が千何兆円からさらに増えつつあり、その結果を負うのは私たちです。
財源は勿論重要な事だが、コロナによる東京から少し離れた都市への脱却が進むコロナ後の交通政策を考えると、宇都宮は見本となりうるので、他地域住民に何言われたようがLRTは何とか成功してもらいたい。