歩兵はライフル銃で戦車と戦えるの? 「対戦車ライフル」の歴史とその子孫
現代の「対物ライフル」は、元をたどれば対戦車火器として誕生したものです。戦車の装甲に対し歩兵が携行できるサイズのライフル銃、初期はともあれやがて通用しなくなりますが、装甲を貫くことだけが戦い方ではありませんでした。
アメリカ海兵隊も日本軍の軽戦車は怖かった?
『ザ・パシフィック』という、第2次世界大戦中のアメリカ海兵隊を描いた海外テレビドラマで、ペリリュー島(西太平洋、パラオ)の戦闘シーンに敵役として日本陸軍の九五式軽戦車が登場します。ありがちな「やられ役」かと思いきや、主人公のアメリカ海兵隊員が持っている小銃では九五式を撃っても効果はありません。九五式の主砲や機銃は生身の歩兵には充分すぎるほど強力です。「バズーカはどこ行った!」とパニックになり逃げ惑うシーンがあります。
その後はお約束通り、この九五式は駆け付けたバズーカ砲兵に撃破され主人公は助けられます。これはドラマの1シーンですが、小銃しか持たない歩兵にとっては軽戦車、装甲車でも大変な脅威になるのは本当です。
第1次世界大戦で初めて戦車と対峙したドイツ軍は、様々な対戦車兵器を模索しましたが、その中に装甲を貫ける徹甲弾を撃つ「対戦車ライフル」というものがありました。砲兵が扱うような火砲であれば戦車にも対抗できましたが、戦場ではどこで戦車に出くわすか分かりません、歩兵が手持ちで扱える対戦車兵器のニーズは高かったのです。対戦車ライフルはライフル銃を大型化したようなもので比較的、構造が簡単で量産もできるので、各国がこぞって研究開発しました。
しかし戦車の装甲が厚くなってくると、対抗して対戦車ライフルの徹甲弾も大口径化するシーソーゲームになっていきます。弾が大きくなれば銃も大きくなり、射撃反動も強く、歩兵携行火器としてはだんだん扱いが難しくなっていきます。大口径化にも限界があり、やがて対戦車ライフルの徹甲弾では戦車の装甲を貫けなくなりました。
ソ連に侵攻されたアフガニスタンではゲリラが戦車の斜め後ろから近づいて戦車のキャタピラと駆動輪?との間に具合よく切り揃えた丸太を挟んで逃げたものですって。手持ちの近代兵器がほとんど無かったのでしかたありません。
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