歩兵はライフル銃で戦車と戦えるの? 「対戦車ライフル」の歴史とその子孫

現代の「対物ライフル」は、元をたどれば対戦車火器として誕生したものです。戦車の装甲に対し歩兵が携行できるサイズのライフル銃、初期はともあれやがて通用しなくなりますが、装甲を貫くことだけが戦い方ではありませんでした。

それでもソ連が対戦車ライフルを使い続けたワケ

 一方で、別の対戦車火器も生まれます。威力が大きくコンパクトに収まるアメリカのバズーカ、ドイツではパンツァーシュレックという対戦車ロケット弾やパンツアーファウストのような無反動砲などが作られ、そうなるとそれらの国で対戦車ライフルは廃れていきました。

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ソ連のPTRS-1941対戦車ライフル(口径14.5mm)。19万丁以上製造された。使用する14.5mm弾はソ連/ロシアの機関銃弾の標準口径となり、2021年現在も使われている。

 そうしたなか、限界の見えていた対戦車ライフルを大量に使用したのがソ連です。独ソ戦でドイツ戦車に対抗する手段を大至急、揃えなければならない緊迫した状況から、構造が簡単な対戦車ライフルを増産せざるを得なかったのでした。

 このソ連の対戦車ライフル、緒戦のドイツ主力戦車であるIII号、IV号戦車なら、100m以内まで引き付ければ何とか側面か後面装甲を貫通することはできました。とはいえ100mの距離になるまでじっとガマンというのは、恐怖以外の何物でもありません。

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セミオートマチックのPTRS-1941に14.5mm弾5発のクリップを装填しているところ。

 また、装甲を貫通しなくともペリスコープや乗員、足回り、砲身などを狙撃すれば、撃破できなくとも戦闘力を奪うことはできました。ドイツ戦車はどこからともなくペチペチと撃ち込まれる対戦車ライフルで、ペリスコープや装具類が破損することに悩まされます。対戦車砲のように派手な発砲炎も上がりませんので、火点もわからず反撃できません。ペリスコープの予備防弾ガラスを多く積み込んだり、追加装甲板「シュルツェン」をぶら下げたりと、対策を取らざるを得なくなります。待ち伏せや集中運用などで、いやがらせ以上の効果を挙げていたことが分かります。

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整列したソ連軍歩兵部隊。対戦車ライフルも多く配備されているのが分かる。長槍のようで行軍時には結構ジャマになったものと見られる。

 戦争が後半になるとドイツ戦車は重装甲化し、ソ連側の対戦車ライフルも威力不足は明らかとなり、その生産は縮小されます。しかし対戦車戦闘だけでなく、市街戦で建物の壁などを撃ち抜ける支援火力として頼りにされ、結局、終戦まで使われ続けました。

【写真】軽戦車…ではない「自走」対戦車ライフル

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コメント

2件のコメント

  1. ソ連に侵攻されたアフガニスタンではゲリラが戦車の斜め後ろから近づいて戦車のキャタピラと駆動輪?との間に具合よく切り揃えた丸太を挟んで逃げたものですって。手持ちの近代兵器がほとんど無かったのでしかたありません。

  2. 大変見にくい!広告が重なり記事が分からなくなる。

    広告に対して悪い印象が残る。

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