戦車と対戦車兵器の100年 人はいかに戦車装甲へ挑み、またこれを跳ね返してきたのか(写真12枚)

戦車100年の歴史はまた、戦車装甲と対戦車兵器のいたちごっこが繰り返された100年間でもありました。その歴史を解説します。

大型化した対戦車砲と鋳造砲塔

 第一次世界大戦末期になると、対戦車ライフルが開発されました。「マウザー1918対戦車ライフル」は、口径13mm、重量は15.8kgと個人装備の銃としては大きめですが、射程は500m、厚さ25mmの装甲を撃ち抜くほどの威力がありました。当時の戦車の装甲は12~15mmほどでしたから、装甲を撃ち抜くだけなら十分だったといえます。

 しかし、第二次世界大戦に入ると、戦車の装甲はどんどん厚くなっていきました。そして、それに呼応するように対戦車砲も大口径、大型化が進み、大戦後期になるとその口径は80mm以上が当たり前になっていました。

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第一次世界大戦時のフランスのサンシャモン戦車に、対戦車ライフルの弾で生じた破孔。当時の装甲板の薄さと、装甲板が二重構造なのがわかる(画像:月刊PANZER編集部)。
イギリス連邦軍(ニュージーランド軍)兵士が鹵獲したドイツの「マウザー1918対戦車ライフル」(画像:帝国戦争博物館)。
退役後、標的として戦車や対戦車砲の的となったイギリスのマチルダI歩兵戦車(月刊PANZER編集部撮影)。

 対する戦車のほうはといえば、重量の関係から、無尽蔵に装甲を厚くするわけにもいきません。そこで考え出されたのが鋳造装甲による「避弾経始」という方法です。これは、砲塔を鋳型でお椀のような形に成形し、戦車をつくるものです。お椀のような形の砲塔は、弾が当たっても、横や上にそらす力が働きます。鋳造砲塔であれば大型の対戦車砲でも、その力を殺して、そらすということができるようになりました。

 また、大型化が進んでいた対戦車砲が大きくなりすぎたため、個人で使用することが難しくなってきました。そこで生み出されたのが、無反動砲や対戦車ロケットでした。

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第二次世界大戦でフィンランド軍が使用したラハティ対戦車ライフル。20mm口径で重量は約50kgあった(画像:月刊PANZER編集部)。
複数の砲弾が撃ち込まれたティーガーI重戦車の砲塔側面(画像:月刊PANZER編集部)。
肩撃ち式の個人携行型無反動砲として世界中で使用されているスウェーデン製の84mm無反動砲「カールグスタフ」(画像:陸上自衛隊)。

 無反動砲というのは、反動を抑える機構を取り付けた対戦車砲のことです。一方対戦車ロケットというのは、弾そのものに推進剤の入ったロケットを発射するもので、ロケットランチャーとも呼ばれています。両方とも第二次世界大戦の後半に登場し、瞬く間に世界中で採用されて個人携行による対戦車兵器のスタンダードとなりました。

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