6Gの電波は成層圏から? 「飛ぶ基地局」実現へ通信各社が注目の乗りものとは【Merkmal】

NTTドコモやソフトバンク、ノキアといった通信大手が、高高度滞空型無人航空機への関心を高めている。通信衛星の軌道よりも低い成層圏に、長期間滞空できるというその特徴から、通信衛星の代替としての役割が期待されているものだ。

HAPSで実現する「成層圏の基地局」

 HAPSは人工衛星に比べれば高度の低い成層圏を飛行するため、通信中継に用いた時のカバー範囲は通信衛星に比べれば狭い。その反面、電波の伝送距離が通信衛星に比べて短いため、通信の遅延時間も短く、動画の円滑な配信なども可能になる。

 通信衛星が大規模な発射施設からロケットによって打ち上げられるのに対し、HAPSは飛行場の滑走路から離陸が可能なため、運用開始までに要するコストは小さい。また、携帯端末がLTEで使用している2.1GHz帯の使用が国際的に認められているため、通信衛星を使用する携帯電話サービスとは異なり、既存の携帯端末が使用できる。このため近年では、通信衛星の代替手段としてのHAPSに注目が集まっており、各国の研究機関や企業が実用化に向けた取り組みを進めている。

 エアバスD&SとNTTドコモ、ノキアの共同研究がどのような形で事業化されるのかは、現時点では不明だが、この分野は実は、NTTドコモのライバルであるソフトバンクが先行している。同社は2017年12月に、HAPSを使用して通信ネットワークを提供する新会社のHAPSモバイルを、アメリカの無人航空機メーカーのエアロヴェイロンメントと合弁で設立した。

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地上テストを行う「ゼファー」( 画像:エアバス・ディフェンス・アンド・スペース)。

 HAPSモバイルが開発を進めているHAPS「サングライダー」(旧称「HAWK30」)はゼファーと同様、太陽電池とバッテリーを併用して飛行する高高度滞空型無人航空機で、1回あたり最長6か月の飛行が可能とされている。サングライダーは2020年9月に行われた5回目の飛行試験で成層圏に到達し、同時に搭載する成層圏対応型無線機を使用するインターネット通信試験にも成功している。

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