6Gの電波は成層圏から? 「飛ぶ基地局」実現へ通信各社が注目の乗りものとは【Merkmal】

NTTドコモやソフトバンク、ノキアといった通信大手が、高高度滞空型無人航空機への関心を高めている。通信衛星の軌道よりも低い成層圏に、長期間滞空できるというその特徴から、通信衛星の代替としての役割が期待されているものだ。

6GのインフラになるかHAPS そもそも6Gって…?

 サングライダーは40機程度で日本全土をカバーできる能力を備えているが、太陽電池から所要の電力を得るためには、赤道から緯度プラスマイナス30度のエリアを飛行する必要があり、日本では日照時間の長い8月の1か月前後のみしか飛行できないという制約がある。このためHAPSモバイルはまず、携帯電話のインフラの整備が進んでいない赤道付近でサービスを開始して、より発電能力の高い次世代HAPSを開発し、サービスエリアを拡大していく方針を示している。

 ソフトバンクは現在、大規模災害時に地上の携帯電話の基地局が損害を受けた際には、中継装置を搭載した気球を使用する「係留無線中継システム」を使用して、ソフトバンクとY!モバイルの通話やデータ通信を可能にしている。

 この係留無線中継システムは4~5人の要員で設置できるが、天候の影響を受けやすいという問題がある。成層圏を飛行するHAPSは気象の影響を受けにくく、ソフトバンクは当初、係留無線中継システムに代わる大規模災害時の携帯電話通信中継手段と、前述したインフラの整備が進んでいない地域での携帯電話事業の展開をHAPSの主用途と位置づけていた。

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ソフトバンクが開発に携わったHAPS「サングライダー」。当初は「HAWK30」という名だった(画像:ソフトバンク)。

 そしていまは、HAPSモバイル、さらにはNTTドコモも6G移動通信システムへの活用を視野に入れている。

 6G移動通信システムは今後普及が進むであろう5G移動通信システムの持つ高速大容量通信と低遅延通信、多数同時接続通信という3つの特性をさらに深化させるとともに、これまでの移動通信システムではカバーできなかった空や海、宇宙空間などもカバーする「超カバレッジ拡張」と呼ばれる能力の獲得が期待されている。

 6G移動通信システムの超カバレッジ拡張には通信衛星の活用も検討されているが、前述したようにHAPSには既存の携帯端末がそのまま利用できるという特性があることから、この分野でもHAPSへの注目度が高まっているのだ。

 日本の携帯通信業界では、政府主導による通信料の引き下げ競争が注目されているが、既に次世代の携帯通信での競争が始まっており、HAPSはその競争で勝ち抜くための鍵になると言えるだろう。

【了】

提供:Merkmal

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