航空会社の被災時「臨時便」 定期便ない路線になぜすぐ飛ばせたのか? ANAの場合は

2月13日に発生した福島県沖地震で、東日本の交通アクセスの要である東北新幹線が見合わせに。その際航空会社は、翌日から普段定期便のない路線に“助け船”を出しました。このスピード対応はどう実現したのか、ANAの担当者に聞きました。

被災翌日には仙台、その翌日には福島へ

 2021年2月13日(土)夜、福島県沖を震源とする最大震度6強の地震が発生しました。この地震で被害が大きかったエリアは、平時の首都圏とのアクセス手段が、おもに東北新幹線がメインの地域です。ところが、設備が被災したことで同線は運転見合わせを余儀なくされました。

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福島空港から羽田空港に向け出発するANA臨時便(2021年2月19日、乗りものニュース編集部撮影)。

 この際、新幹線の代わりに交通アクセスの確保を担ったのが、航空便です。翌14日から、ANA(全日空)とJAL(日本航空)は既存の東北路線を、増便したり使用する飛行機の大型化に動いたりしたほか、平時では定期便のない羽田~仙台線において、ANAが臨時便を設定。15日からは、JALも羽田~仙台線の臨時便を設け、ANAは直線距離200km弱の羽田~福島線に臨時便を設定するなど、航空会社各社が東北への“助け船”を出しています。

 そしてこのとき目立ったのが、臨時便設定までのスピードです。先述のとおり、ANAでは被災翌日には仙台、その翌日には福島と、羽田から定期便のない空港へ臨時便を即座に開設しました。この「迅速な対応」はどのように実現したのでしょうか。

 ANA企画室ネットワーク部 ダイヤ編成チームの高橋直紀さんは、「地震などの緊急時を想定し、ANAでは運航にかかわる様々な状況で、緊急対応する準備を常にしています。新幹線不通の情報が入ってから、14日にまず需要が大きいであろう仙台、秋田への臨時便設定を決め、その動きを見ながら、同日午後には福島への臨時便を決めました」とその経緯を話します。

 今回の迅速な臨時便設定は、「関係者のみなさまの協力がなによりも大きかった、というのがポイントです」と高橋さんは話します。

【写真レポート】2月19日ANA羽田→福島臨時便

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コメント

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2件のコメント

  1. ANAの場合って今回も災害臨時便の設定発表はJALの方が早かったのに
    JALの方も報道するのですよねANA広報と化している「乗りものニュース」さん

  2. 羽田~仙台線は、東北新幹線開業前まで運航されてましたからね。