消えていく特急のヘッドマーク JR発足で変化した重要度

現在では北海道と四国ぐらい 進化した方式も

 また、1989(平成元)年にデビューし「ひたち」などに使われたJR東日本の651系特急形電車は、LEDの表示器でヘッドマークを表示する仕組みを採用します。

 幕式の場合、内容を変更したい場合は幕自体の交換が必要で、構造も複雑ですが、LED式はその点が簡単なのが特徴。以降、ヘッドマーク表示器が備えられる場合でもLED式の採用が増えていくことになります。

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LED式のヘッドマーク表示器を備えるJR東日本651系(画像:写真AC)。

 ただ、LED式ならヘッドマーク表示器の採用が多い、といえる状況でもなく、現在、新しい特急形車両でもヘッドマーク表示器を備える方向性なのは、JR北海道とJR四国ぐらいです。

 JR東海は、独自に設計した特急形車両でも幕式のヘッドマーク表示器を備えてきましたが(JR西日本が開発を主導した285系を除く)、2022年度から運行開始予定の新型特急車両HC85系は、ヘッドマーク表示器自体を持ちません。

 全体的に「ヘッドマーク」の必要性が低下し、特に幕式は絶滅が危惧される現状ですが、JR北海道はフルカラーLEDのヘッドマーク表示器を導入。進化もしています(LED式は当初、色がオレンジ、緑、赤で表現力が乏しかった)。

 また、定期運行される特急列車では存在感が下がっているヘッドマークですけれども、イベント列車では、その特別感の演出などから特製のヘッドマークが用意されることがよくあります。

 日本の鉄道におけるひとつの文化でもある「ヘッドマーク」。何らかの形で、これからも利用者を楽しませてくれるでしょう。

【了】

【通称は「オバQ」!】ヘッドマークではなく「くちびる」があった鉄道車両

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

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3件のコメント

  1. やはり783系にお気づきでしたか、あのころ東武スペーシア、小田急HiSE、近鉄アーバンライナーなど正面にヘッドマークに類する特急電車が相次いで現れましたね。車両自体が列車名やときには行き先すらも体現しているのでしょう。 
    ヘッドマークがないのはまだしも側面のLED表示器が約60km/h以上では点灯しないものがあるのは不便だと思います。

  2. 651と253・257、どれもLED式だけど大きさで印象変わるのかな。後者は取り敢えず付けときゃ良いんだろ的にしか感じないんだよ。それだったら無くても良いんじゃないか?と。
    653と751は更に意味解らないけど(

  3. ふと気が付いた事がある。ヘッドマーク省略の特急車が出始めたのは新幹線0系がルーツかも。