普通車1950円は何基準? 首都高の上限料金引き上げ 厳格になる「対距離制」

均一料金から変化してきた首都高の10年

 新料金を受けたネット上の声では、「首都高の料金って、ちょっと前まで500円とか700円じゃなかった?」というものも多く見られました。確かに、かつて区間によらず均一だった首都高の料金は、大卒の平均初任給などとともに物価の変遷を示す物差しのひとつとして例示されることもあり、首都高=均一料金のイメージが強いからこその反応かもしれまん。

 しかし、首都高のネットワークの進展とともに、均一料金から「対距離制料金」に移行して、かれこれ10年近くが経過しています。

 2011(平成23)年まで首都高の料金(普通車、以下同)は、埼玉料金圏(美女木JCT以北)400円、東京料金圏700円、神奈川料金圏(羽田および川崎浮島以西)600円の固定料金で、3つの料金圏を乗り通せば1700円かかっていました。

 2012(平成24)年から料金圏が撤廃され、ETC車は下限500円~上限900円の対距離制料金となり、さらに2016(平成28)年から、距離料金の水準をNEXCOの大都市近郊区間料金と揃えたうえで、下限300円~上限1300円へと改定されています(現金車は距離によらず上限料金を適用)。要はネットワークの拡充にともない、迂回しても料金が変わらないようにするためです。

 こうした料金体系は国の方針のもとに決められますが、首都高速道路によると、NEXCOと同様の料金水準をそのまま適用すると大幅な値上げになることから、「それまでの料金負担の5割増し程度に抑える」考えで、激変緩和措置として1300円の上限料金を暫定的に定めたといいます(2019年の消費増税で上限1320円に)。

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湾岸線にあった旧大井本線料金所。こうした本線料金所は料金圏のない距離別料金に移行したことで撤去が進んだ。2017年(中島洋平撮影)。

 それから5年、今回は「より公平な対距離制を実現する」目的で、首都圏における高速道路料金の見直しが図られました。首都高速道路によると、新たな上限料金も前回同様、従来の料金負担に対して5割増し程度に抑える考え方で設定したとのこと。1950円は、消費増税前の上限1300円から、きっちり5割増しになる形です。

 ただし今回の上限料金も、激変緩和措置としての暫定的なもの、とされています。

【画像】上限1950円ってどういうこと? 新料金案の概要

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コメント

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4件のコメント

  1. 料金を大都市近郊区間に合わせるなら、道路規格や最高速度も合わせて欲しい。根本的な渋滞解消策をとらずに料金だけで迂回させようとするのは無理だと思う。外環だって最近は渋滞が目立つし、区間によっては無料のパイパスより見劣りする。直轄区間のように無料化してる訳でも無いし、公平性や受益者負担の考えからも逸脱すると思う。

  2. いつも、値上げの度に「大口多頻度割引」が拡充されていますが、
    大手運送会社と癒着があるのではないでしょうか?

  3. いや、マジでざけんな。

  4. 首都高を値上げすることよりも、
    首都高経由と同額にしてる迂回経路を値上げにする方が本当の狙いと推測。
    外環道や圏央道なんかを使わせるために迂回経路は値段据え置きにすべきでは?
    あと圏央道は制限を80km/hでなく、100km/hに速度アップして使いやすくしてほしい。

    深夜割引はそもそも0-4時にする必要あるの?
    ピークシフトという趣旨を考えたらむしろ出口基準で時間判定して、朝6時ぐらいまでやっても良いと思うのだが。
    NEXCOの一部でも時間帯に入っていればOKというのはすごくおかしいけど、首都高の入口だけはもっとおかしい。
    入口~出口の時間を案分して対象時間帯だけ値引するようにして、その代わり時間帯も拡大してピークシフトを推進すべき。